ガンボージノーバ “しずかな祈りの色”
私の名前はガンボージノーバです。
私の母はガンボージと言います。インドシナ半島出身です。藤黄(とうおう)や雌黄(しおう)など別の名前もあるみたいで、日本や中国では古くから染料として愛されていたようです。
私はもっと皆さまに広く愛されるようにという願いを込めて生まれました。温かみのある黄色が、まるで暗闇に光るキャンドルの明かりのようでもあり、夜空に浮かぶお月様のようでもあるとよく言われます。自分ではよく分からないですが、そんな風に言われるのはとても嬉しいです。
母がよく故郷のジャングルで見ていた広い空の話をしてくれたのですが、昼は様々な鳥の声や動物達でにぎやかなジャングルも、夜は真っ暗になってみんな寝静まり、世界に自分1人だけのような気持ちになったそうです。でも、それは寂しさを感じるわけではなく、
ああ、私は世界に1人の存在なんだ。誰もがかけがえのない存在なんだ。
と、感じる時間なんですって。夜空に広がる満点の星空とお月様を見上げながら、心が研ぎ澄まされるような時間を過ごしていたそうです。
私も毎晩夜空を見上げています。何も見えない夜も、その向こうに必ず輝くお月様があるんだなと思うと、力が湧いてくるのです。
どうか私も、夜空に浮かぶお月様のように、いつでも、どんな時でも、皆様の心を明るく灯すような存在でありますように。それが私の願いであり祈り。
今日も静かにお月様に祈りを捧げます。
私の名前はガンボージノーバ、しずかな祈りの色。
現在開催中のイシノアサミさんの『ひと色展』。以前参加させていただいて、会場で展示されている絵に私の書いた文をQRコードにしていただきました♪すごく嬉しいです!たくさんの『ひと色』達、どれも気に入りすぎて可愛すぎてコラボ企画は終わってしまったのですが、文を書かせてもらいました!
知らない色の世界がたくさんあるのですね。ガンボージノーバなんて初めて聞く言葉で、ちょっと調べてみたのですが複雑でした(笑)簡単にまとめると、ガンボージというインドシナ半島にある植物の樹脂からとれる染料があって、毒性があるので、安全に使える顔料として作られたものの一つがガンボージノーバのようです。でも、本当に良い色だなと思います。
新しいことをまた一つ知ることができて嬉しいです。ガンボージノーバちゃん、ちょっと清楚なお嬢様のイメージで書いてみました。