女子高生は 身体を冷やしていませんか?
この冬、高校生の娘が頻繁に体調不良を訴えたので「もしかして新型コロナでは?」と心配し、そのたびに1日何度も熱をはかりましたが、熱も喉の痛みも咳もなく、しばらく休むと落ち着くということを繰り返します。
女性ホルモンのバランスが不安定な年齢なので、その影響もあるのでしょうが、それにしても頻繁でした。
もしかして、身体の冷えが影響しているのでは?と思い調べてみると「カテコールアミン」という神経伝達物質が目につきます。
「カテコールアミン」は、こころと栄養の関連でも頻繁に出てくる物質なのです。
「カテコールアミン」とは、「ドーパミン」と、副腎髄質から分泌される「ノルアドレナリン」「アドレナリン」のことをいいます。
前回の記事でもご説明しましたが、アミノ酸の一種である L-フェニルアラニンからドーパミンがつくられ、酵素の働きでノルアドレナリンになり、さらにアドレナリンがつくられます。
尿中のカテコールアミン濃度と、ストレスや疲労度との関連性は以前より指摘されており、「カテコールアミン」は、日常生活の中で受ける様々なストレスの関連物質としてよく知られているものです。
自律神経が交感神経優位になったとき、つまり「恐怖、緊張、怒り、悲しみ、寒さ、空腹、激しい運動」などの、さまざまなストレスにさらされた際に、副腎髄質からの分泌が増加するため「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
カテコールアミンは、心拍数を増やし血圧を上昇させますが、これは動物が外敵から身を守るために備わった身体のしくみですね。
それ以外にも、栄養素の代謝にさまざまな変化をもたらします。
①身体のたんぱく質の分解が亢進します(異化反応の促進)
②脂肪組織の分解が亢進し、血液中の遊離脂肪酸が増加します(インスリン抵抗性が高まるので、血糖値が下がりにくくなる)
③肝臓における糖新生が促進されます(血糖値が上昇する)
④褐色脂肪組織(※1)では熱産生が高まります(エネルギー消費が増大する)
⑤ノルアドレナリンの合成に関与するビタミンCの消費が増加します(ストレスと関連の深いビタミンと言われるのはそのため)
(※1 褐色脂肪細胞:鉄を含有しているため茶色を呈し、エネルギーを産出するミトコンドリアに富む)
このように、栄養素の代謝からみても「ストレスホルモン」の分泌が続くことは、身体にとって不都合であることがわかります。
娘の体調不良は、女性ホルモンのバランスが原因していることも考えられるのですが、身体が冷えればバランスを整えることも困難になるでしょう。
自宅から最寄り駅までと、駅から学校まで、二か所で計二台の自転車を使って登校しているので、制服のスカート姿では当然、身体が冷え冷え。
「寒さ」や「空腹」が「ストレスホルモン」の分泌を促進するのであれば、これらは対処ができます。
とにかく下半身を温めるために裏起毛のストッキングをはかせ、朝は30分早く起こして、以前よりエネルギーとタンパク質を増やした朝食をゆっくりとらせるようにしました。冷たい飲み物は厳禁。
それまでは、親がいくら言っても、
たいして寒くないからと、お腹にカイロを貼るのもイヤ、
タイツもださいからイヤ、
「イヤイヤ期 女子高生版」
で、
生脚(なまあし)風の、ちょっと温かめの着圧ストッキングに、くるぶしがでるくらい短い靴下だったのです。
そして、スカート丈は校則ギリギリの短さ。
一時間にわたる大激論の末、
寒さ対策に関しては、親の威厳を勝ち取りました。
本人も、さすがに寒さと体調不良に懲りていたのでしょう。
はじめから素直になればいいのものを·····💦
裏起毛のストッキングを「温かくて快適」と非常に気に入り、自分で丁寧に洗って干しています。
履いたら見た目は普通のストッキングとほとんど変わらないのに、とにかく温かくて全くの別物。
そして、夜は必ずお風呂に浸かって十分身体を温めるようにしました。
そんなこんなで、何日もたたないうちに「最近、身体がラク」と素直に言ってきたので、いまは一安心しているところです。
女性に冷えは大敵ですね。
ストレスホルモンの分泌を高める「恐怖、緊張、怒り、悲しみ、寒さ、空腹、激しい運動」などは、日常生活で完全に避けることは困難でしょう。
なので、これらのストレスをできるだけ緩和させるよう、なるべく長引かせないような工夫が大切なのではないでしょうか。
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ではでは また。みなさんの健康を願って。
参考書籍:Nutrition Care 2017年 5月号
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