ダイエットには挫折がつきもの
私が大学を卒業したころと違って、何か詳しい情報を得たいと思ったら、今はググれば情報はいくらでも拾えるのでとても楽ちんです。
ましてや「ダイエット」に関するものなどは、いちいちググらなくても道を歩いているだけで勝手に天から落ちてくるレベルで情報を得ることができます。
それらあまたの情報から、安全かつ自分にあったものを選び抜き、「これならやれそう。さあはじめるぞ!」と決心するまでは、割と簡単。
きっかけさえあれば、だれでもたどり着ける最初のステップですね。
しかし、ほとんどの方はここから先、ゴールにたどり着くまでがとっても大変なんです。
ゴールにたどり着くまでを登山にたとえると、スタート時には「(ちょろいぜ)高尾山」と思って意気揚々と歩き始めたのに、しばらくすると雲行きが怪しくなり、気づくと雪深い「冬の八甲田山」に迷い込んでおり、「富士山」をすっ飛ばして、「エベレスト」にでも挑んでしまったかと思われるくらいの息切れと頭痛とめまいとふらつきとで下山を余儀なくされてしまいます。
目標を立てたのにゴールにたどり着けないんですよ。なかなか。
もっとひどい人になると、トレッキングフル装備で高尾山登山鉄道のケーブルカーに乗り登山口まで行ったのに、そのまま近くにあるリフトに乗ってふもとまで下山してきます。
なぜこんなことになってしまうのでしょう。
理由の一つに「自分にとって無理な目標を立てている」ことがあげられると思います。
高尾山山頂だと思っていたゴールは、実ははるかかなた雲の上のまたさらにその上だったんですね。
完全な目測誤りです。
エベレストも、10年計画なら可能性もゼロではないでしょうが、素人にはそう簡単にかなえられる目標ではありません。
途中で意欲が萎えたり、体調を崩すのも仕方ないですね。
どんなものでも高い目標を立てること自体は良いことだと思っていますが、気合いと努力とでかなえられる超人はほんの一握りです。
まずはゴールまでの長い道のりを細切れにし、実行するにあたって心理的、物理的ハードルの低いものから日常生活に落とし込んで習慣化させるとよいと思います。
実際の例がこんな感じです。
スイーツ大好き、運動大嫌いな女性が、健康診断で引っかかってしまったので、医師から「減量」を言い渡されました。彼女は次回の受診日である60日後までに-5Kgの目標をたてます。
ー5㎏ってとっても大変なんですよね。
運動そのものをあまりやったこともないし、孤独にランニングとかつまらないし、絶対にできないと思い、初めはジムに入会してトレーニングを始めます。
始めたばかりの頃は、ジムなんて初体験だしすべてが新鮮だし活気があってテンション上がるし、細マッチョなトレーナーさんが声をかけてくれてますますテンション上がるし、でけっこう楽しんでいましたが、
気持ちが慣れてくるとだんだんと通うのが苦痛になってきてしまい、気乗りしないのに無理して通った日の帰り道には、空腹に耐えかねてファミレスに寄りパスタとスイーツを平らげるという負のループに陥っていました。
そのうち膝が痛み出し、整形外科にも通う羽目になり、1㎏も減らないままジムを退会してしまいます。
そんなこんなで整形から栄養相談にまわったきたのですが、「自分には根気がない、体重が増えてきたことを気にしてダイエットを始めてもいつも失敗ばかり。意を決してジムに入会したけれど続かず、このままでは本当に病気(糖尿病)になってしまうかもしれない」と意気消沈していました。
そこで彼女と一緒にたてた「ヘルシープラン」が以下のようなものです。
①まず1ヵ月1㎏の減量を目標にします。(ゴールへの道のりを細分化)
②化粧室は2階上のフロアを使い、階段を使って行きます。もちろんその他の用事でも階段を使います。(物理的、心理的ハードルの低いものから習慣化させる)
③最寄り駅では、いつも寄ってしまうコンビニ側ではなく、反対側の出口から出て遠回りをして家に帰ります。(②と同じ)
④スイーツが食べたいときは、夜の帰宅時に買って食べるのはやめ、昼休みに5分離れたコンビニに買いに行って15時頃までには食べます。(これはハードルが低いも何も、スイーツが食べられるのだから、遠くのコンビニだろうがどこまででも買いに走って行ったとのこと)
⑤パソコンを使って仕事をするときは立ってやります。(オフィス環境にもよりますが、彼女はフロアの端にあるスチール棚の上にパソコンを移動して仕事を始めました。立位は座位よりもエネルギー消費量が高く、仕事中にさほど無理なく継続できます。はじめは午前中のみでへとへとだったそうですが、次第に慣れたそう)
こんな感じです。
食事に関しては、主食と副食のバランスが偏っていたのですが、それは適量を知らなかったためですぐに改善できました。
これで約半年後にはきっちり5㎏減量でき、血液検査データも改善し、小さな習慣は今も継続できています。
ちょっと長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
来年も、皆様にとって良い年でありますように。
ではまた。