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減塩って、できますか?

こんにちは。

しょっぱいものより、甘いものが好きな管理栄養士 美香です。

今日は、「減塩」(塩分制限)についてお話ししたいと思います。


減塩する必要がある患者さんに対して、

「主治医もおっしゃっているように、減塩してみましょうね。こんな簡単な方法がありますよ」

と、優しく話しかけながら、気合を入れて作った資料を広げて説明し始めたところで、

「はいはい分かりました」
となることは、まずありません。


栄養相談にいらっしゃる患者さんは、若くても50歳代で、

心ここにあらずな遠い目をしながらも、
私の話を聞いているそぶりはするけれど、

そのおでこには、

「い・ま・さ・ら」

の4文字がはっきりと浮かんでいるのが見て取れます。



そんな患者さんに対しては、ちょっとした世間話で盛り上げて、

「管理栄養士は小うるさい」とのイメージが払拭された頃合いを見計らい、

「実はね……」

と、以下の話を始めます。


「味覚はね、感覚受容器(舌)に対する化学的刺激で、持続的に強い刺激が与えられると閾値(刺激閾)が上がり感覚が鈍くなる順応が起こるんですよ。

濃い味のものを食べ続けていれば、濃くないと味を感じなくなり、逆に薄い味付けでしばらく頑張っていると、次第に閾値(刺激閾)が下がり、

薄い味でも美味しく感じられ、素材そのものの美味しさも味わえるようになるんですよ」

という内容を、その患者さん個々の理解度に応じ、かみ砕いててご説明します。

すると、めんどくさいと思っていた「減塩」の話も、前のめりに聞いてくれる人がけっこういらっしゃいます。

この先ずっと薄味にしなくちゃならないなんて、まっぴらごめんと思っていたけれど、しばらく頑張れば慣れるものなんだと。

だまされたと思って、ちょっくらやってみようかなと。

慣れるまでの期間は、過去のnoteにも書いたように、甘いものと同じで約三週間とされています。



これを半強制的に実行してもらうのが「入院」ですね。

うちは平均在院日数がわりと長いので、退院時にはたいてい

「もうすっかり慣れたよ~」

と、おっしゃっていただけます。

そして、退院直後の外来時には、

「退院の日に、行きつけだったお店でラーメン食べたら、しょっぱかったぁ!」

と、ご報告してくださいます。

(「さっそく食べたわね!😤」←心の声)

「味覚改善」は無事終了となりましたので、あとは維持していただけるよう促します。



しかし、ここで気をつけなければならないのが高齢者ですね。

年齢と共に味覚細胞が減少して自然に刺激域が上がり、粘ったところで下がるものでもないので、

「減塩食の指示が出ているけど、食思不振」である患者さんがいたら、主治医に相談します。

少しでも食欲が出るように、塩分制限無しのハーフ食にして、足りない分は栄養調整食品で補ってもいいでしょうかと確認します。



「食事」は、ただ単に必要な栄養素を取り込むためになされるものではなく、

人生を豊かにするためにあると思います。

たとえ制限があったとしても、

みなさんの食生活が、すこしでも楽しく豊かなものになるお手伝いができたら嬉しいな、と思いながら日々過ごしています。


最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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 ではでは また💕みなさんの健康を願って。


          おまけ ⤵  


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