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実録・令和の駐妻
2025年現在、私(まき)は、夫の海外赴任に伴い渡米し、海外駐在者に帯同する妻、いわゆる駐妻となりました。同時に、現在キャリア継続を目指しています。
Podcast内でも、エピソード#177(駐在帯同を決めるまでの葛藤)や#181(駐妻の就労継続が難しい実情を一般データも交えて考察。参照データ含めnote化しております!)の回でこのテーマについてお話していますので、ご興味ある方は是非こちらも聴いてくださると嬉しいです🥹
なぜ、今?私のキャリアはどうなるの?
今でこそ穏やかな気持ちになりましたが、夫から海外駐在の話をあった時の第一声がコレ。
我が家の場合、夫婦共に海外志向があったため、どちらかのキャリアのどこかのタイミングで海外赴任の可能性もある状況でした。また、そんな未来が来ることも望んでもいました。事前に夫婦でも話し合い、どちらか先にその機会が訪れたら、家族で一緒に行こう、ということまで決めていたため、一家渡米について決断することに時間はかかりませんでした。
しかし、いざその瞬間が来た時、そこにはまるで違う反応をしていた自分がいました。
自身と家族が望む未来に向けた切符を手にしたぞと目を輝かせる夫の横で心が晴れない私。というのも、当時の私は、管理職に昇格して3か月の頃。私なりにチームで今後こんなことをしていきたいとプランを描いていた真っ最中だったのです。正直「なぜ、今?そして私のキャリアはどうなるの?」と戸惑いの気持ちの方が大きく、この消化には数ヶ月はかかったと思います。
駐妻キャリアを考える上で大事なn=1の事例
Podcast上では話しきれなかったことも含めて、私の駐在帯同を巡るキャリアの話については、noteで記録しておこうと思いました。
というのも、詳細は、是非前述のPodcast#181とnote記事をご覧頂きたいのですが、社会構造や所属企業の制度上の限界、本人のキャリア志向、渡航先、渡航ビザ、家族の状況etc変数が多く、この組み合わせ次第で、課題や取り得る選択肢が変わるため、これが一般的なモデルケースです!といったものがないニッチで多様な世界なためです。
私も、当初これまで駐妻さん達はどうしてきたんだろう?と、境遇やキャリア観が近い事例がないか社内外のつてやインターネットから手当たり次第調べはじめました。
しかし、調べるも調べるも出てこない…そして調べる中で分かってきたのが、駐妻×就業継続は越えなければならない壁が幾つかあり、実現例として世の中に出てきているものが決して多くはないという現状でした。
だからこそ、n=1事例の価値が大きいテーマだと思うのです。
この観点で私が、当時、事例収集にかなーり参考にさせて頂いたのが、駐妻キャリアnetさん。実際に、この中で近い境遇だったかやこ|アメリカ暮らし|noteさんを見つけた時は、とても嬉しくなりました。しかもpodcast発信もされてると…!テンションあがって、速攻フォローさせて頂きました。
今、駐妻キャリアnetさんのインタビュー記事ページをみたら”休職制度編”、"現地就労編"、"リモートワーク編"etcカテゴリ別に記事が読めるようにアップデートされている…分かりやすい🥹
"母"と"駐妻"、既視感の正体
駐妻になることがわかり、自分の今後のキャリアをどうするか、あれやこれや考えていた時に「あれ、この感じ初めてじゃないぞ」と既視感を覚えました。この感覚、初めて妊娠し、母となり、復職した時に味わったものと非常に似ていました。
第一子妊娠時、喜びも束の間、私には妊娠に伴う身体的な変化がノンストップで進みだしました。また通院・出産・復職等の一連の体験を通じて、どんな前例や選択肢があるのかを整理し、その中から私の状況を踏まえてどれを選ぶのがよいかの検討と判断の連続。当然、よりよい選択肢を求めれば求めるほどタスクも増えます。このような変化と同時進行で、常に私の頭を巡らせていたのが自身のキャリアをどのように継続させていくか問題。夫の残業&出張続きの働き方をみていると、私は今後、自分で時間がコントロールしやすい働き方や仕事を目指すのが良さそうだと考え、会社へ部署異動を志願したり、必要そうなスキル・経験の獲得に動きました。また4月復職を目指して保育園戦線に出遅れないためには、12月に保育園の手続き開始して…といった具合に、キャリア戦略の見直し、そしてそれを実現するための必要アクションの洗い出し、具体スケジュールを引いて動き出すのはいつも私からでした。私が動き出さなければ、キャリアが始まらない、積みあがらない。そんな気がして、私は、いつも焦っていました。
かたや夫。第一子誕生時も今回も、もちろん彼を取り巻く生活・職場環境の変化はありましたが、少なくともキャリア継続という観点では、会社員ということもあり、大きな変化や不安を感じることなく現状路線で進めます。
私がキャリア継続を希望していることは夫も理解・応援してくれています。今回も一人で先にアメリカ入りしている時から、私が働くことも見据えて、両立がしやすそうな環境の地域・学校探しをする等、家庭との両立についても一緒に考えてくれました。
ただどうしても、当事者意識、具体性、スピード感が違う。
また第一子出産の時も今回駐在の時も、周囲からは「今は家族を優先にキャリアのことは焦らずに」と声をかけられました。もちろん全く悪気なく善意でかけられる言葉なので、その気遣いにはありがたいなとも思う一方で、どこかでモヤモヤも感じていました。
このモヤモヤの正体はなんだろう。それは、極論、私がキャリアを追い求めなければ解決する話だからかもしれないと思いあたりました。
夫の立場に立って考えてみても、今この瞬間(短期的には)、私がキャリアを緩める方が、家や子供への負担が減り、都合がよい。仮に私が逆の立場でもそう考えるだろうな。そう思うと、このモヤモヤもある意味仕方なく思えました。
もちろん、これは我が家の場合なので、似たよう境遇でも夫婦によっては全然状況が違ったり、むしろ真逆というご家庭もあると思います。駐夫というケースもありますしね。
ただ私は、この経験を通じて、家族でライフステージの変化を迎える時、女性がその変化のフラグのファーストキャッチャーになりやすい、ということに改めて気づかされました。
令和の駐妻、いや女性はもっと自由でいいのだ
私たちのpodcastは、令和を生きるパートナーと2人暮らしの研究者(ないちゃん)と会社員ワーママ(まき)の女性2人のMCから成り、特にまきからは働く母視点でのパートナーシップ、子育て、キャリア等を巡る日常をできるだけリアルにお届けしています。
もはや、ないちゃんに愚痴を吐き出し、慰めてもらい、気持ちを整理するコーチングシリーズと化したエピソード達😂
spotifyではプレイリスト化しておりますので、ご興味あればこちらも是非📻
夫から駐在帯同の話があった夜も即ないちゃんに連絡しました。自身のキャリアの道が閉ざされたとネガティブモード全開の私に対して、ポジティブモード全開の励ましの言葉がこちら👇
「確かに想定外のタイミングではあったけど、家族で望んでいたことが実現できる良い機会。キャリアも継続の道が絶たれた訳ではないし、もし休職となっても自由な時間を手に入れたと思って、興味のあることや新しいことに挑戦することだってできる。今の延長戦の仕事はできなくとも、大学への通い直し、資格を活かしたフリーランス、podcast活動etc色んな選択肢が考えられる。結果、どの道を選んでもまきのアメリカでの未来は輝かしいので安心して!大丈夫。私も近々サバティカル(研究職のキャリア形成過程にある使途制限のない長期休暇)取るため海外に年単位行く計画。アメリカだったら基本どこでも合わせられるから♪」
ハッとする私。そうだよな。これで私のキャリア全体が試合終了な訳ではない。何より「ご飯どこ食べ行く?場所合わせるよ♪」と同じくらいのテンションでかけてくれた最後の言葉にスッと心が軽くなったことを今でも覚えています。
当時をふりかえると、私自身にもバイアスがあったのかもしれません。
駐妻になる=会社の手厚いサポートのもとで家族全員が海外で安全・安心して暮らせるような貴重な機会を与えられているんだから、駐在者(夫)が仕事のパフォーマンスを最大限に出せるように家族を支えるのが私の役割なんだ。数年働かなくても困るような生活環境でもないし、加えて自分のキャリアを追うなんて求めすぎ。今は私のキャリア緩めるタイミングなのではないか。それが、家族や周囲にとっても一番合理的なのではないか、と。
一方、今後、駐妻スタイルのバラエティはきっと増えていきます。現に私の周りでも、企業に属してリモートワーク、フリーランスetcちらほらみかけます。また地元の学校で言語や興味のある分野について学んだり、地元のコミュニティでボランティアをする、現地の生活を家族とおもいっきり楽しむ等、就業に拘らない選択肢だって全然あり。
時代は令和。駐妻になっても、何かを諦めずに、家庭だってキャリアだって海外生活だって、やりたいこと総取りで自由に生きれる社会になっているはず🗽
そんな令和の駐妻の一つの例として発信することで、もしかしたら同じ悩みを持っている方と出会えたり、同じ壁にぶつかる方の参考になるかもしれない。そんな思いから、この経験はnoteに残そうと決めました。
改めて、帯同時の私の状況について
令和の駐妻スタイルは、様々。ということで、改めて、私の状況について整理です。
家族構成:会社員夫婦共働きで子供2人(5歳・8歳)。
キャリア観:2度の出産復帰を経てキャリアのアクセル加速期だったこともあり、家族と現地で生活しつつ日本にいた時と同様に、フルタイム就業することが第一希望。
家族観:特に子供が小さいうちは単身赴任は考えられない。夫婦ともに家事育児が苦手のため、長期的なワンオペ育児は家庭崩壊必至。
駐在先:アメリカ東海岸。ただし、アメリカ国内で移動する可能性あり(これも今回の壁の一つでした)。
駐在期間:約3年
ビザ:就労可能
実は、キャリア継続についての最新状況は進捗があったりもするので、これまで考えたり、動いたりしてきたことは、また次回!
この記事をご覧になって、同じような境遇で奮闘している皆さんと是非繋がりたいと思っていますので、podcast、note、X、インスタを通じてのフォロー・コメント・DM大歓迎です!!!
特に最近、35右左のインスタアカウント(@35migihidari)で#アメリカ駐在日記をストーリーで発信してるので、是非アカウントもお気軽にフォローしてください🙌ただし、写真は全く映えません🤣