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旧姓併記のトラップ!
選択的夫婦別姓のムーブメントが高まりつつありますよね。
自民党総裁選や衆議院議員選挙でもこの政策への各議員の姿勢が一つの論点になりました。
そのなかで、選択的夫婦別姓に対して消極的な姿勢をとる議員の多くは、旧姓併記や旧姓の通常使用を認めているからだと説明していました。
この旧姓併記について、ないちゃんの経験を共有させてください。
旧姓併記をした理由
ないちゃんは、2023年末に入籍し、その後旧姓併記の手続きをしました。
その理由は、研究職ということもあって姓が変わることへのデメリットが多いからということでした(姓が変わると業績を追えなくなる、旧姓を通常使用したいのでIDにも旧姓があったほうが便利など)。あとは、晩婚の部類だったので、今さら諸手を挙げて「結婚した!!」って言うのも恥ずいし(←)、旧姓に愛着もあるし、なにより新姓に色んなものを変更するのがめんどくさいからです笑
旧姓併記の手続きをした際に、区役所の方から
「デメリットも理解しておいてください」
と言われたのですが、このデメリットについて、皆さん知ってます??
知らなくない??
そう思ってポッドキャストに残しました。
旧姓併記のデメリット①
併記させた旧姓は、一度削除をすると、再度併記させることはできないということ。
どういうことかわかりますか?
つまり以下のようなことになるのです。
田中花子さんが、入籍し、佐藤さんになりました。そうすると、佐藤花子さんになります、
ただ、旧姓を併記したいため手続きをしました。そうすると、佐藤(田中)花子さんになります。
しかし、夫婦関係が悪化し、離婚するとします。そうすると、田中花子さんになるのではなく旧姓併記させていますので、田中(田中)花子となります。
え??
おかしくない?
そこで、併記させた名前を削除しようとしますよね。削除した場合、田中花子に戻ることができます。
その後、新たな出会いがあり鈴木さんと再婚することになりました。そうすると、鈴木花子さんになりますよね。
ただここで、やはり旧姓は残したいため、旧姓併記の手続きをしようとすると、田中という旧姓はすでに削除してしまっているため併記することができません。
すると、手続きをした結果、併記される旧姓は…
鈴木(佐藤)花子となると!
えーーーーー!?!?
摩訶不思議、新しい夫と前の夫の名前が並ぶだと!?笑
こんな悪夢ありますか?
旧姓併記のデメリット②
身分証明書の種類によって併記できるものがそれぞれ。
省庁の縦割りゆえなのでしょうか?
国土交通省の運転免許証→併記OK
厚生労働省の健康保険証→併記NG
総務省のマイナンバーカード→併記OK
外務省のパスポート→併記NG
…
……
Why Japanese People!?!?
なぜこんなに対応がバラバラなのでしょうか。
旧姓併記を進めているというのなら、せめて徹底してほしい。
旧姓併記のデメリット③
結局現場で旧姓併記が意味をなさない。
マイナンバーカードが健康保険証の機能を持つようになってきてますよね。
上述したように健康保険証は併記NGですがマイナンバーカードは併記OKなので、病院に行く際に後者を提出しました。
マイナンバーを健康保険証として使う場合、ボックス型の読み取り機のなかにマイナンバーカードを入れて、電子システムを通じて受付をしてもらいました。
皆さんもこういう方法で受付しているのでしょうか?これが特殊なのか普通なのかはよくわかりませんが…
問題はここからで、ボックスの機械を通すと、併記させた旧姓が消え、新姓のみを読み取るんですよ!!
え?意味なくない??
旧姓併記する人のマインドセットを知ってほしい。旧姓併記を併記する人は、旧姓がいいんです!(私だけかな??)
併記している人は旧姓を反映させるようにプログラムを組んでもらえませんかね。
旧姓を通称使用しているので、新姓で呼ばれることがないんです。病院で呼ばれても反応できません。
今後起こり得るデメリット
数年の間にサバティカルに行こうとしているのですが、海外が絡むとさらにややこしくなりそうな予感がしています。
なぜかと言うと、海外でIDとして使うパスポートは新姓だけれども、通称で使ってる名前(研究者名、研究助成関係の名前、これまでの論文など)は異なるからです。
日本人であれば日本語の名前に慣れているので照合しやすいのかもしれませんが、海外の大学事務の方が2つの見慣れない名前を照合しながら手続きをするってかなりの負担になりそう…
これまで旧姓併記のトラップとして第一弾、第二弾をポッドキャストで配信しましたが、サバティカル手続きで第三弾が出てきそうな予感。ガクブル。
旧姓併記は希望の光?それとも・・・?
ここまでデメリットを列挙しましたが、入籍したこと自体にはとっても満足していて、新しい姓になるのも、まぁ姓が変わってもないちゃんはないちゃんだしな、と呑気に思ったりもしています。
私が現時点でイライラするのは、せっかく時間をかけて旧姓併記の手続きをしたのに、新しい場に新しいIDで参上すると、必ず新姓に切り替わってしまうこと。
あの手続きなんだったの??とやるせない気持ちになります。
その手続きの時も、「これはPodcastのネタになりそうだ!」と思っていたので、同じ状況を経験した他の方よりはストレス値は低いかもしれません笑
もちろん、選択的夫婦別姓が導入されたら、切り替えたいなぁとも思いつつ。ただそれはそれでまた手続き必要じゃん!と苛立ちもしたり。
パートナーに「選択的夫婦別姓が導入されたら、そうしてもいい?」と聞いたら、「まぁかつてはそうだったからね」、「姓が庶民に許可されたのも最近のことだしね」と歴史家らしいフィードバックをもらいました笑