![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45450461/rectangle_large_type_2_539af82d0b92b8b81024dc65224ee183.png?width=1200)
774incの中で味わえる”2つの音楽性”について
皆さんこんにちは。Patch Skywalkerです。
今回は、774incのメンバーである、ハニーストラップの周防パトラと、ブイアパの花奏かのんの音楽について語りたいと思います。
あくまでも個人主観なので、暖かい目で見てやってください。
この記事で「音楽性」という単語を使ったりしますが、ここで語られる「音楽性」は、ジャンル、特徴、楽器、表現、演出諸々の事を指すので、あまりネガティブなイメージに捉えずに読んでいただけると幸いです。
まず初めに「そもそも774incとはなんなのか」について説明するとしましょう。
~774incとは~
774incは、2018年6月に結成したVTuberユニット「有閑喫茶あにまーれ」を始めとし、「ハニーストラップ」「VApart」「シュガーリリック」の4つのユニットを構えるマルチタレントVTuber事務所です。
デビュー当初は、あにまーれとハニストの世界観維持のためなのか、運営元の774incという名前すら公開されませんでした。
代わりに運営、広報役として就いたのが「ななし」という存在。
ユニット毎に「黒猫」「灰猫」「銀猫」「三毛猫」と姓が異なってはいますが、いずれも「ななし」として各ユニットの運営を行っています。
774incという名前が初めてインターネット上で正式に公開されたのも、最初のあにまーれの結成から一年が経過しようとしていた2019年の春頃でした。
そして、にじさんじやホロライブなどの有名VTuberさんのほとんどは本来、キャラクターデザインを担当した、いわゆる「パパ」や「ママ」と呼ばれるイラストレーター様がプロフィールに表記されるのですが、774incのVTuberさんにはそれがありません。
なんでなのかは、「外部から依頼してるけど世界観維持のために敢えて表記していない」「何人もの社内イラストレーター様だけがデザインしてる」などなど推測が飛び交っていますが、実際の所は謎に包まれたまま……
と、こんな感じで謎多き事務所ですが、YouTube全体の企画ブームの火付け役となったり、音楽に強かったり、ひたすらバカ騒ぎしてたりと見ていてほんとに楽しい事務所です。
メンバーについて詳しく知りたいのでしたら是非公式HPのリンクから本人のチャンネルに飛べるので是非チェックです。
~774incで味わえる3つの音楽性~
さて、いよいよ本題に入るわけですが、思った事をひとつ。
音楽事務所ならともかく、一つのマルチタレント事務所やアイドル事務所において、作曲出来る方がライバーだけで二人いて、ここまで音楽の方向性の違いを感じ取れるというのは中々ない事だと思います。
にじさんじやホロライブにおいても、作詞作曲が出来る人は何人かいますが、お互いがここまでソロで活躍していて、尚且つ音楽シーンの一つで名を挙げているというのも恐らく774incだけなのではないでしょうか。
~違いと共通点~
さて、二人の音楽の違いなんですけど、まぁ聴けば分かります。
とりあえずこちらの2曲からお試しで聴いてみてください。
ほら、全然違うでしょ?
まぁ人が違えば表現も音も違うのは当然なんですけど、それを同じマルチタレント事務所で味わえるって凄いですよね。
では、それぞれの音楽の特徴について細かく語っていこうと思います。
まず紹介するのは、ハニーストラップ所属の周防パトラ。
2018年7月14日にデビュー、その2週間後に、作詞作曲全てを自らが担当した「あいあむなんばーわん!パトラちゃん様!」のショートバージョンが公開。これがパトラちゃん様にとって初のオリジナル曲になりました。
その後も、当時流行していた全美兎を自作し「シュガーソングとビターステップ」の歌ってみた動画を投稿したり、全パトでカノンの替え歌を作ったりと、その才能をフルに活用していました。
そして同年8月19日、今や774incを代表するだけでなく、VTuber界の”アンセム”として名高い「ぶいちゅっばの歌」のショートバージョンが公開。
ハニストメンバーのみならず、数々のVTuberさん達が歌ってみた動画を公開し、その名を轟かせました。
そこから「イヤイヤちゃんの歌」でブームを巻き起こし、「ハートサーモグラフィー」「レインボーバルーン」「ラムネ色クレーター」「シュガーホリック」「内緒のモンスター」「一目惚れパラドックス」など、数々のオリジナル曲をリリースし、2020年8月1日に、これらの曲の一部と、未公開曲と新曲を含めたファーストアルバム「あいあむなんばーわん!」がリリース。同年10月に店頭販売が実施されました。
他にも、パトラちゃん様は自分だけでなく、ハニストや774incのメンバーに加え、外部のVTuberさんにも楽曲提供や作詞や作曲などに携わっています。
774inc内での代表曲はこれ。
外部での代表曲だとこれ。
— でびでび・でびる🚪👿月曜22時定期配信 (@debidebiru_sama) December 21, 2020
他にもたくさんの歌ってみた動画のMIXも制作しています。
特ににじさんじの歌みた動画に関わることが多いので、もしかしたら既に聴いたことあるかも……???
更には、バンダイナムコが企画したダンスミュージックプロジェクト「電音部」にもコンポーサーとして参加したり、シスター・プリンセスのアルバムに楽曲提供する事が発表されたりと輝かしい活躍を見せています。
『電音部』に楽曲をご提供いただくコンポーザーの皆様も一部公開しました!
— 電音部 公式 (@denonbu) June 28, 2020
気鋭のクリエイターによる電音部の楽曲にも是非、ご注目ください。#電音部
▼電音部公式サイトはこちらhttps://t.co/1BZyEIKZAt pic.twitter.com/mVE2HWo9uM
🎀ご報告🎀
— 【公式】シスター・プリンセス20周年@2/14(日)バーチャルライブ開催! (@sis_pri20th) September 23, 2020
ストレッチゴール第ニ弾達成により決定したアルバム制作ですが、#周防パトラ お姉ちゃん(@Patra_HNST)に楽曲提供いただけることになりました❣
パトラお姉ちゃん、本当にありがとうございます!💕
▼クラウドファンディングは本日まで✨https://t.co/dnDdXH4TA8#VTuber可憐 #シスプリ pic.twitter.com/kg5FBYStau
ここまで沢山の楽曲を紹介してきましたが、ここまでの全体的な特徴としては、電波ソングのような中毒性がある曲が多いです。
というのも、本人が電波ソング好きというのもあり、そこも意識しつつ曲を作っているとのこと。
かと言って、ほぼ全てが電波ソングという訳でもなく、ラムネ色クレーターやレインボーバルーン、思い出ロケットのようなしっとり系の曲もあったり、蒼い蝶、内緒のモンスター、のようなロック調の曲、ミドリなリンゴ、センチメンタルネットワークのようなクール系の曲もあったりと、多彩なジャンルの曲を作るのも特徴の一つです。
また、ラムネ色クレーターには、曲の合間合間に風鈴の音や炭酸、ラムネの音が入っているので、よーく耳を澄ませて聴いてみて下さい。
また、パトラちゃん様はギターも所有しており、そのギターを使った弾き語り配信も行っているのですが、日に日に腕が上達しているので必見。
音楽の他にもASMRにも力を注いでいるのでそちらも注目です。
次にご紹介するのは、VApartことブイアパ所属の花奏かのん。
2018年5月13日に個人勢としてデビューし、「シュレティンガーのねこ」「Sunny」「光」のオリジナル曲をリリースしたほか、楽器演奏のほぼ全てを自らが担当した歌ってみた動画や、ベースを使った検証動画やネタ動画などを公開したのち、2019年9月にブイアパへの加入を発表。
ブイアパに加入してからしばらくは、ベースを弾きながら足でリズム天国をプレイするなどの企画配信や動画の公開が殆どでしたが、翌年3月、ブイアパ加入後初となるオリジナル曲「ラストダンスは求めないで」を公開。
2か月後の同年5月に、世間情勢により披露する場を失ったVTuberさん達のために、ぼっちぼろまるさんの曲名の一つを元に、先述したパトラちゃん様のオリジナル曲も含め様々なアーティスト様の楽曲を5時間ノンストップで紹介した大型企画「Vおうちフェス」を開催。
当時から人気だったアーティスト様に加え、今ノリに乗ってるアーティスト様まで紹介されているので見ごたえ抜群。
他にも、ベース以外はあつ森の楽器だけで新宝島を演奏し、本家サカナクションの目に留まって大バズりしたり、ぼっちぼろまるさんのオリジナル曲をそれぞれカバーしたコンピレーションアルバム「#BOTCHIBOX」に参加したり、アキ・ローゼンタールや朝ノ瑠璃などが参加するトマト組のアルバム「A MOMENT」にも参加していたり、REALITYで楽曲提供イベントを開催したりと、音楽面でかなり幅広く活躍しています。
🎤楽曲提供イベント応募開始🎤
— REALITY (@REALITY_app) October 9, 2020
楽曲提供イベント第5弾!
今回は「#花奏かのん」からあなただけの楽曲提供を受けるチャンス!
オリジナル楽曲を有名アーティストから制作いただける貴重な機会をお見逃しなく!
詳細https://t.co/MhwigTxPkO pic.twitter.com/55is2HwFvr
「花奏かのん楽曲提供イベント」の権利獲得者は、おはよう真夜中さん @ohayou_mayonaka に決定しました!おめでとうございます!
— REALITY (@REALITY_app) November 18, 2020
また、最終選考に進んだ入賞者様に対してメッセージを頂いておりますので、そちらは個別にお送りさせて頂きます。
更には、774inc初の合同ライブ「ななしふぇすどぅーいっと!」に合わせ、ブイアパ全体のオリジナル曲「マーブルルーム」の作詞作曲も担当。かのんちゃんが持つ独特な表現と、ブイアパメンバー一人ひとりの個性を味わえる欲張りセットになっています。
と、こんな感じで紹介してきましたが、上記2曲を除いた(カバー曲とアシノさん作詞作曲。でもベースはかのんちゃん本人が担当)4曲と、2020年後半に公開された2曲をご紹介します。
全体的に聴いてて感じるのは、やはり綺麗なロック・ポップサウンドでしょうか。
かのんちゃんはベースを得意としますが、それ以外の楽器も出来るというのが凄い所。
ただゴリゴリなロックじゃなくて、オシャレさ、儚さ、ミステリアスさも曲の中に組み込んでいるのも特徴的です。
「ペンタのうた」は、きっかけがネタから来てるのですが、アシノさんをギターに迎え入れてることもあり、かなりかっこいい曲になっています。
ここまで二人の音楽表現や活動履歴の大まかな違いを紹介してきましたが、一つ共通点があります。
それは、二人とも自分でMV制作をすることです。
パトラちゃん様もかのんちゃんも、最初の頃はリリックビデオのみでの公開が殆どでしたが、パトラちゃん様の場合は「ぶいちゅっばの歌」から、かのんちゃんの場合は「光(future Bass Remix)」から徐々に進化を見せるようになります。
パトラちゃん様の場合は、エフェクトとイラスト、Live2D、時に実写を駆使し、音に合わせて動かす”美少女ゲームのオープニングなどでよく見るタイプ”のMV作りが特徴的。
VTuber界だけでなく、インターネット全体に多いMVの作り方なのですが、これをほぼ一人で出来るのが凄い所。
「一目惚れパラドックス」では、漫画形式でストーリーが設けられており、歌詞と連動して聴くことが出来る構成になっています。
また、パトラちゃん様本人が制作した訳ではないのですが、アルバム「あいあむなんばーわん!」に向けて、MonsterZ MateのMVでお馴染みの深山詠美さんを始め、野良いぬ、chlumi、藤井祐希さんなどの映像クリエイター様によるスペシャルMVも必見です。
YouTube上で公開されているのは、「ラムネ色クレーター」「ぶいちゅっばの歌」「シュガーホリック」「かにプのうた」の4曲になります。
深山詠美さん担当のMVは以下の2曲。
TVアニメ「ハッピーシュガーライフ」のオープニングアニメーションや、ナナヲアカリ、鬱P、FAKE TYPEなどのアーティスト様のMVを制作している野良いぬさん担当のMVはこちら。
そして、パトラちゃん様の個性が全面に出ているゴリゴリの電波ソングであり、数々のV楽曲を手掛けてきたosirasekitaさんがMV制作を務めた「かにプのうた」はこちら。
一度聴いたら止まらないぞ。
(なお筆者本人はかにプを食べた事がない模様)
ここまで来て気になるのは、かのんちゃんのMV作りです。
パトラちゃん様のイラストMVとは打って変わって、かのんちゃんは主にVR空間と実写を駆使して撮影しています。
更に、上下にレターボックスを付けて、シネマティックな演出を醸し出すのも特徴的。
特に「ラストダンスは求めないで」は、ミニチュアの東京駅やワンルームを背景に、儚げな表情とミステリアスな演出が沢山あって力が籠っているので注目です。
そして、個人勢時代にリリースした「Sunny」をShiseiさんがアレンジした「Sunny feat. Shisei」は、レッターボックス演出はないものの、過去の配信のあれこれがテレビに映りつつ、これが延々と続いていくのですが、途中で細かな動きとかがあるので中々面白いMVに仕上がっています。
ここで紹介したこの特徴は、先述したブイアパのオリジナル曲「マーブルルーム」でも垣間見れます。
と、こんな感じで、二人の違いと共通点を紹介してきましたが、如何でしたでしょうか?
多方面で活躍するパトラちゃん様と、主に裏方で活躍するかのんちゃんの二人は、774incの音楽の要としてきました。
~歌うまは数いれど~
歌うま、作詞が出来る方でいえば名前は数多く出てきます。特にシュガーリリックの龍ヶ崎リン様はクールなボイスでラップが出来る数少ないVTuberさんです。
コーサカ、神咲嶽とのコラボ曲「VIRTUAL CYPHER」まーーーじでかっこいいので聴いてほしい。
他にも、2021年2月にあにまーれに移籍した月野木ちろるも、ピアノ演奏を得意とします。
すごーく綺麗なので聴いてみて欲しい。
同じあにまーれ繋がりで、宗谷いちかも強くオススメします。
オリジナル曲は一曲しかありませんが、774incメンバーの中で一番ぶっ刺さる歌声をしているので是非聴いてほしい。
ちなみにオリジナル曲の「君と未来」は、そやさん自ら作詞を担当しています。
歌みた動画になってしまうんですけど、ブイアパの杏戸ゆげの歌う「少女レイ」が滅茶苦茶好きです。
ウィスパーボイスが似合うんじゃこの曲。
MV制作もかのんちゃんが担当しているので、そこも注目。
先ほどご紹介した「よっぱっぱの歌」「メアリサンバ」、正確にはハニーストラップの西園寺メアリという方が作詞作曲しているのですが、ほぼその場の勢いとノリで作っているらしく、「よっぱっぱの歌」に限っては酔っぱらった状態で出来たというのですから凄いですよねぇ……
お酒の力って怖い……
これ以上出すとキリがないのでここまでにしますが、他にもたくさんの歌うまVTuberさんが774incにはいます。
ですが、作詞作曲をメイン活動にしているのは二人だけです。
ここまで歌うまVTuber様に囲まれている上に、二人の作詞作曲が出来るVTuberがいるというのは、本当に恵まれた環境だと思います。(映像も作れるし)
それに、音猫ななし(シュガリリではさしみになってる)という音楽専門のななしさんもいるので、音楽面は本当に強いです。
~二人のコラボは?~
そんな音楽に強い二人ですが、コラボしたことはあるの?とか、気になる方もいると思います。
実を言うと…………コラボでセッション配信した事があるんです!!
パトラちゃん様がギターを担当し、かのんちゃんがベースを担当。
「ハートサーモグラフィー」をお互いの楽器で弾き合ってから、けいおんの挿入歌「Cagayake!GIRLS」「Don't say "lazy"」「ふわふわ時間」を披露。
音ズレがあったものの、お互いの個性が溢れ出た見応えのあるセッション配信になりました。
普段のギター弾き語り枠にはないベースの音が滅茶苦茶新鮮でした。
またセッションして欲しい^~~~~~~~~
これ以降は、あんことそやさんを挟んだUNO配信でのコラボが最後になり、今ではTwitterでの交流が殆どになっています。
楽曲でのコラボもまだないので、これからに期待です。
いやコラボ楽曲とかやったら死ぬで?
~あとがき~
何度も言いますが、数多くの歌うま方がいるこのVTuber業界で、所属タレントだけで作詞作曲が出来る人が二人もいるというのは本当に特殊であると思います。
これが音楽事務所だったら「当たり前かぁ」と思いますが、マルチタレント事務所として運営している事務所ですから尚更珍しいと思います。
パトラちゃん様は774inc内外でも曲やオケを作り、多数のコラボ配信やイベントにも参加していたりと非常にアクティブで、一方のかのんちゃんは、ライブこそは少ないものの大型企画の主催や「ななしふぇすどぅーいっと!」では裏方に回り、音楽面でのサポートや「マーブルルーム」の楽曲提供を行ったりと活躍しました。
初のVTuberであるキズナアイちゃんがデビューしてから早5年、まだまだこの業界は発展を続けます。
その発展の中で彼女たちが何をするのか、何を起こすのか、非常に楽しみです。
勿論新曲も待ってるし、パトラちゃん様が30年ローンを組んでまで購入したスタジオがどう使われるかも注目したいところ。
それでは、またどこかで。