私は今日、ピエロになる。
白のファンデーションで肌を塗られ、お気に入りの口紅で口角を上げられる。
震える彼の手で、口紅が横にズレてしまった。
「下手くそ」
私がそう言うと、彼は鼻声でごめん、と謝る。
今日はハロウィン。
私は外へは行けないし、メイクも失敗だけど、私と彼の口角は上がっていた。
#140字の物語
#ショートショート
#超ショート物語
#アルファポリス
30秒で充実した物語を送りたい!という思いから始めました。
アルファポリスでも連載していますので、この物語が少しでも何か残った読者の方はふらっと立ち寄って下さいませ。