綿毛

忘れていた
忘れていた
風が過ぎた
次はどこに行くのか

風が過ぎた
風が過ぎた
わたしのこと
さらってどこまでも

なんにも考えずに
ただ見上げていたいだけさ
このまま高い空に舞う
綿毛にでもなりたい

忘れていた
忘れていた
歌があった
草の陰を探した

雨が降って
冷えた指が
見つけ出した
宝物のようだ

なんにも考えずに
ただ歌っていたくはない
さようなら 手放したら
ほら、空気にとけていく

なんにも考えずに
ただ見上げていたいだけさ
このまま高い空に舞う
綿毛にでもなりたい




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