『ナクシタモノ』第X話:再診

前回までのあらすじ(3~4行程度)

前回
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#深琴と真琴の琴棋書画 #精神病 #ナクシタモノ #創作エッセイ




見出し

第1話:はじめから

2022年8月、自身の気が触れた事に気付いた葛木深琴はメンタルクリニックを受診する。

"病名 病名は『後悔』どうだい"

#ナクシタモノ
#深琴と真琴の琴棋書画
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    ナクシタモノ

     はじめから
     つづきから
     せってい

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    ナクシタモノ

    →はじめから
     つづきから
     せってい

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2022/07/26 某時刻 ファミレス

葛木 深琴
「ごめん…本当に…ごめんなさい…。」

大屋 敬
「まぁ、精神病ってヤバイんだなってことはよく分かったよ。」

騒がしいファミレスで話す二人がいた。一人は僕、もう一人は僕の…元恋人だ。大屋 敬(ダイヤ ケイ)。敬とは一緒に住むぐらいの関係だったが、僕の病気のせいで喧嘩別れしてしまった。だが、長年恋人として付き合ってきたよしみなのか、"友人"としてこうして話を聞いてくれている。

深琴
「頭が…回らない…どうすればいいか分からない…。」


「とりあえず、病院を予約しよう。前行ってた所で大丈夫?」

深琴
「うん…。」

スマホで以前通っていたメンタルクリニックを検索する。予約フォームから問診票に入力していく。

氏  名:葛木 深琴
フリガナ:カツラギ ミコト
生年月日:1997/02/10
性  別:女性
電話番号:XXX-XXXX-XXXX

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古賀窪 凪(コガクボ ナギ)
「あなたは、統合失調症だよ!もう関わらないで!」
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突如記憶が蘇り、涙が零れた。僕は凪に言われた病名の症状の中で、心当たりのあるものをフォームに入力した。

症  状:誇大妄想、関係妄想、被害妄想、恋愛妄想、幻覚、幻聴、思考電波、世界没落体験など

彼女のおかげで病識を得ることが出来たが、どうやら「統合失調症」というのは適切に治療しなければ再発する病気らしい。恐らく「陽性症状」と呼ばれる状態からかろうじて正気を取り戻しつつあった僕だったが、再発してまた誰かに迷惑をかけたくなかった。フォームを一つ一つ入力していってある項目で手が止まった。

頼れる方はいますか?:

深琴
「頼れる方…誰を書けば良いんだろう…。」

家族は…あまり頼れないかもしれない。ほとんどの友人知人からは、病気による言動で縁を切られてしまった。今でも話してくれるのは敬と極数人だけだ。泣き続ける僕を見て敬は言った。


「とりあえず、何かあったら頼って良いから。何も出来ないかもしれないけど、こうして話聞くぐらいならする。」

深琴
「ありがとう…。」

もう、元には戻らない関係に心が締め付けられながら、僕は入力を完了した。

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2022/08/01 某時刻 メンタルクリニック

精神科医
「そうですね…仰る通り統合失調症の可能性が高いでしょう。薬を出しますので必ず飲んでください。そして通院を続ける事を目標にしましょう。次回もお待ちしています。」

深琴
「はい…ありがとうございます…。」

僕はうつ向きがちにお礼を行って診察室を出た。

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同日 某時刻 電車内

深琴
「(視線が…音が怖い…あのお姉さん達は僕を見て笑っているんだろうか…)」

一人が異様に怖かった。本当なら敬が一緒に来てくれるはずだったのだが、急用が出来てしまい僕一人でメンタルクリニックに行くことになった。行きの電車では泣いてしまったが、帰りはなんとか耐えることが出来た。

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同日 某時刻 葛木家 キッチン

葛木 雅代(カツラギ マサヨ)
「それで?どうだったの?」

深琴
「…やっぱり、統合失調症の可能性が高いって言われたよ。」

雅代
「そう…。あんたかなり変だったものね。お兄ちゃんなんか"完全に頭イッちゃってる"って言ってたわよ。」

母さんの言葉に多少の悪意を感じつつ、僕は夕食を受け取った。

深琴
「…食べたら薬飲んで寝るね…。」

雅代
「私って天才だと思わない?ほら、こんなに頑張ったのよ。ちゃんと残さず食べてね。おやすみ。」

母さんはいつもの調子で僕に同意を求めると、リビングに移動した。僕は自分の部屋で食べよう…。

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同日 某時刻 葛木家 深琴の部屋

僕は夕食を食べるとキッチンに食器を戻し、コップに水をくみ部屋に戻った。

深琴
「(薬を飲んだら本当に楽になるんだろうか…)」

以前、メンタルクリニックに通っていた時は、薬が合わず気分が高揚して断薬してしまった。薬を飲み始めた時点で可笑しくなっていたのだが、断薬したせいでより酷い症状が出るようになってしまった。

深琴
「(怖いけど飲むしかないよな…)」

僕は意を決して薬を飲んだ。

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某日 某時刻 ???

「ここは…?」

聞こえますか?葛木深琴。
今からあなたには、世界を救ってもらいます。

深琴
「世界を…救う…?何を言っているんです…?
というか、あなたは誰ですか…?」

そのためには多くの人々の協力が必要です。
仲間を探しなさい。さすれば道は開けるでしょう。

深琴
「待ってください!どういうことですか?!待って!」

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次回へ続く

登場人物紹介

https://note.com/3510_katsuragi/n/n7057889d4156


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