[ゼミログ]地方と演劇
初めまして!
note初投稿なので少し緊張しております。
環境情報学部2年の四方美古都と申します。
現在、研究会やサークルに入って何か活動しているわけではありませんが、ダンスやアクションなどお稽古事等で日々自分磨きに励んでいる女優の卵です。舞台に魅了され、高校のときから劇場に足繁く通っています。(ここ半年だと、ざっと60回くらい)
さてさて!
この記事は、x-Performanceゼミ(SFC演劇自主ゼミ)の10/20の回のログで、内容は『地方と演劇』に関するものとなっております。
このゼミに関する諸々は、先輩方の記事をご覧ください。
このゼミに入って半年間活動した感想としては、自分一人では知り得なかった知識やそれぞれの感じ方などを知ることができる貴重な場に居られているという実感があります。それぞれ立場や興味分野が少しずつ違うということが良い方向に作用している気がします。
また、純粋に好きなことでこんなにも幅広く深い話し合いができ、学びを深められることに喜びを感じています。
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今週のテーマ:「地方」について
次回のゼミは「地方と演劇」です。
我々が生活や活動を行っている東京(神奈川)から離れた地方において、
演劇を含めたパフォーマンスアートがどのように展開されているか、
県や市などとどのように連携しているかなどについて調べてきたうえで議論しましょう。
例えば、青年団が拠点を移した兵庫県豊岡市やSCOTの拠点である富山県利賀村、
静岡の公立文化事業集団であるSPACなど演劇だけでも議論できる例が多くあると思います。
普段私たちの観劇で機会に恵まれるのは、どうしても劇場数や上演数の圧倒的に多い東京(神奈川)であると思います。(なんと下北沢だけでも20軒近く!)
そんな中での地方の演劇等パフォーマンスアートの展開を各々調べ、共有しつつ議論を展開していきました。
まず、地方行政の取り組みについて知るところから始まりました。
1995年に静岡県で発足したSPACや、同じく静岡県で静岡市にある観光文化交流局 まちは劇場推進課をはじめとする、様々な自治体でのまちづくりに密接する演劇等パフォーマンスアートの実例があります。
実際に活動が行われているどこの地域も大抵、演劇に関わりのある人だけでなく、地域の人も交流のはかれるようなシステムになっていることが分かりました。
また、ふるさと納税の返礼品として観劇チケットを設定する自治体もいくつか見受けられ、演劇がまちおこしの一端を担っている地域もあるようです。
その一方で、地方の小劇場の少なさが問題に挙げられ、演劇そのものに触れる機会を増やすにはどうすれば良いのか等、まだまだ議論の余地がありそうです。一つの提案として、劇場に必ずしも囚われることなく野外劇やテント劇を上演することはきっと機会が増えることに繋がるでしょう。
そこからさらに、地方公演の実情や公共性について共有し、地域や地域の人々に寄り添った作品の上演には腕利きのキュレーターやプロデューサーが必要不可欠であることを再確認し、身内ではない客層をどう育てるかなど集客についてと作品選びの難点についても議論しました。
ほかにも、高校演劇ならではの伝統や文化を基に、表現というものに賞を与えることの善し悪しについて考えたり、大衆演劇の歴史に触れながら、様々な場所での上演とその移動に伴う問題点やファンとの関係についても議論し、大衆演劇は戦前から続く2.5次元舞台では?(議論の余地アリ)という考察もありました。
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一言で「地方」と演劇と言っても、自治体ごとに多様な活動が行われているため今回の時間だけでは議論しきれない点もありましたが、今回知り得たことからそれぞれ自分の興味分野との関わりを深めていけるのではないでしょうか。
次回のゼミは、「上演と観客(客席)」について議論していきます。
テーマは「上演と観客(客席)」です。現代演劇においてとりわけ欧米では、メディアの発達とそれに伴う記号論、思想、パフォーマンス・スタディーズなどの研究を背景とし、必ずしも戯曲を前提しない、より「上演(performance!)」へと重きを置いた作品がダンス/パフォーマンス/オペラ/コンサートなど他の舞台芸術との境界をまたぎ注目されています。そうしたポストドラマ演劇とも言われるような作品における観客は、従来のようにつくり手が生み出す意味を解釈する受動的な存在ではなく、つくり手と意味のやり取りを行う能動的な存在です。ゆえに「上演」とは、そのような舞台と客席のあいだの関係性によって動的につくられていくものなのでしょう。そこで次回のゼミでは、各人が持ち寄った作品の「上演と観客(客席)」についてディスカッションしてみたいと思います。