9月23日の世界気候アクションデーに向けて
はじめまして・こんにちは・こんばんは!
350 New ENErationのオーガナイザーの山崎です。
皆さん、台風や、今年の夏の酷暑や豪雨被害は大丈夫でしたか?
350 New ENEration(以下、NewENEにします、長いので)の中には、今年の豪雨被害で地元の川が氾濫してしまったメンバーがいます。
心配で毎日ニュースを追いました。どのニュースを見ても、絶望的な映像ばかり。茶色に濁った川が民家を浸水させてしまう。「こんなこと長年住んでてはじめて」と住民が口にします。それが、今年の夏は色んな場所で発生してしまいました。酷暑や豪雨に対して「観測史上最大の」「記録的な」「史上初の」といったフレーズを何度も聞きました。
「今でさえこんなに酷いのに。1.5℃の気温上昇に達してしまったらどうなってしまうんだろう」
そう考えた人は少なくないはず。
今年の気候アクションデー、NewENEは何を求めようか?
私たちNewENEは、化石燃料産業を支える構造に注目しています。日本はG7で唯一石炭火力発電所の新設計画があり、現在もJ-POWERという大手火力発電企業が、「GENESIS松島計画」という老朽火力を“アップサイクル”して2026年に稼働する計画を進めています。
詳しくはこちらを見てね
日本政府は現在、2030年の温室効果ガス削減目標(よくNDCと略されます)を46%としています。これは不十分な数値と指摘されていて、日本はいままでCO₂を排出してきた先進国として、温室効果ガスを2030年に最低でも62%削減しなければならないというレポートもあります。
色々考えた結果今回NewENEは
「国の気候危機のルール作りがもっと進んでほしい」「国会でもっと気候危機のことを話合ってほしい」
という想いから、要望書を作成することにしました。
求めた点は欲張りに欲張って5点。(いえ、嘘です。これでもかなり迷って絞りました…。)
これらがクリアになっていなければ、結局対策は変わらないのでは?と思う点は以下です。
この要望書を、自由民主党、公明党、国民民主党、立憲民主党、日本維新の会、日本共産党、社民党、れいわ新撰組にお渡し。
順次対談を行うことにしました。
政党として答えていただけたところもあれば、いち議員としての対談でのお応えになった方もいます。
noteで順次、対談の結果をご報告していきますので、お待ちください♥
要望書の中では特に、❷と❸は、NewENEがとっても重視している点です。
電力事業者のロードマップが、そもそも国の目標(そして当然G7サミット合意)と整合していないのではないか
要望書の❷は「電力事業者のロードマップが国の目標やG7サミット合意と整合しているかを調査・追及すること 」
これは、今年公表された電力広域的運営推進機関(OCCTO)がまとめた「2022年度供給計画の取りまとめ」を読んで、驚いたことがきっかけです。
OCCTOが電力事業者電力1,768者に対してヒアリングを行った結果、事業者の現行計画を実行すれば、
2031年度の電源構成が石炭32%、LNG30%、石油2%、原子力6%、 再エネ29%、電源種不明1%となることが示されたというんです。(化石燃料6割以上じゃない!!?)
さらには、2021年から2031年の10年間で石炭火力の設備容量は397万kW増加する見込みだということも示されました。 (増加!?)
このままでは、急スピードで加速する国際的な脱炭素の流れに取り残されてしまうのでは?
気候変動の解決が遅れているのでは?
この取りまとめは経済産業省にも送られているとのことですが、大きく注目されていないように思います。
でもちょっと待って…?政府目標と整合していないんでしょ…?それって大問題なのでは…?政府がきちんとエネルギー基本計画を達成するかどうかを調査しないなんてことはありえないはず……
(もちろん、私たちとしては気候危機対策として1.5℃目標に整合する政策を求めています)
なのでまず、日本のCO₂排出の中でも欠かせない「発電部門」の脱炭素の実態を調査し、明らかにしてほしい、追求してほしい、そう思い、要望書の❷としました。
具体的には「電力事業者が2050年ネットゼロに向けて各々公表する中長期のロードマップが、政府目標やG7サミ ットでの合意と整合したシナリオがどうかを調査及び追求してください。」とお願いしました。
日本では「公正な移行」「公正な転換」について考える専門家がいない?(なんで〜!!!)
そして❸で求めたことは「『公正な転換』の議論を進め、エネルギー転換による雇用創出や経済的効果などの機会を明らかにすること」です。
(環境NGOなどは「公正な移行」と言うことが多いのですが、私たちは、今回、引用したレポートをもとに「公正な転換」と言います)
「石炭火力の段階的廃止」がG7サミットで合意になったこと、また、ガソリン自動車の製造・販売禁止の世界的な動きも日々加速しています。
こうしたことから、将来的に化石燃料やガソリン自動車の関連企業の労働者が失業し、十分なサポートを得られず、その人権が守られなくなることなどの懸念があります。
2021年1月、バイデン米新政権は大統領令で、石炭火力産業における雇用転換を省庁横断で検討する組織とし てInteragency Working Group on Coal and Power Plant Communities and Economic Revitalizationを設置しました。
しかし現在の日本政府内では 「公正な転換」に関する具体的な議論や制度設計はほぼ皆無です。
まだまだではありますが、気候危機対策はここ数年で急激に展開しています。今後も、いや今後はもっと動きが加速するはず。
その中で「雇用」はとっても大事な問題のはず。
でも、こう考えると少しネガティブに聞こえます。ですが、再生可能エネルギーにシフトしていくことは(メガソーラーではなく、ね)多くの雇用や経済効果もある、と言われています。
日本の研究グループによる『レポート2030』(未来のためのエネルギー転 換研究グループ2021)では、脱石炭火力と脱原発を進め、再エネと省エネを拡大するような政策を実行した場合、画像のように、経済雇用効果があることを示しています。
リスクばかりに注目するのではなく、雇用について具体的な機会=チャンスをしっかり計算することで、踏み出せることはたくさんあるはずです。
まずは、日本ではこうした「公正な転換」に関する研究者が少ないとのことで、早急にタスクフォースなどをつくって欲しいですよね…!
具体的には要望書で
今年のG7サミットでは、石炭火力の廃止の期限は明記されなかったものの、脱炭素の動きは今後さらに加速 し、石炭火力の廃止期限を明確にすることはもはや免れることはできません。そのため、公正な転換の議論の 推進と、エネルギー転換に伴う雇用創出や経済的効果などの機会を明らかにし、現在のエネルギー基本計画や グリーン成長戦略を、世界の現実に対応した内容に修正することを求めます。
とお願いしました。
これらの要望書を提出して、8政党の政党としてor議員さんに対談のお願いを申し出ました。
(残念ながら今回は、国民民主党は対談NG、公明党も伊藤渉議員と対談ではなく秘書の方とお話、ということになりました)
(9月23日にあわせ、各要望書をお送りしました。)
次の記事で結果を記載していきますので、是非注目していただけると嬉しいです♥