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大学時代のファッションバイブルはFINEBOYSでもnon-noでもなく、The Strokesだった
高校時代、田舎の男子校に3年間閉じ込められていた。
陸の孤島と呼ばれるくらい何もない学校、女子との接点も全くなく、指定の制服で通う日々でファッションとは無縁の生活を過ごした。
都内の私立文系大学に受かった。
さすがに芋くさい格好で通うこともできないので、大学進学を機に、ファッションについて興味を持ち始めた。
所謂、大学デビューというやつだ。
タイトルと矛盾するようだが、ファッションと一切縁のなかった自分は、大学生御用達のFINEBOYSやMEN'S NON-NO、CHOKi CHOKiを読み漁り、ファッションの基本を勉強した。
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原宿や表参道、渋谷というお洒落な街に繰り出し、雑誌で学んだトレンドを取り入れた洋服やアイテムを身につけ、見事に量産型大学生になった。
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しかし、流行のファッションを追い続けるのは疲れる。さらに自分が量産型の大学生になっていることに対し辟易しはじめた。
何か違う方向性のファッションをしたいと思い始めた矢先、YoutubeでThe Strokesの SomedayのMVを見て衝撃を受けた。
既にこのMVが撮られてから数年経っているのに全く古くなく、バッチしキメてる感じではないのに、自然体でめちゃくちゃカッコいい。
ボーカルのジュリアン・カサブランカスのデニムオンデニム、確実に真似したら事故るファッションだが、ジュリアンだと様になる。
この時、ファッションは自分の好きなアーティスト、ロックバンドを参考にすればよいのだと悟った。
そこからThe Strokesの画像を漁り、彼らのファッションを真似るようになった。
古着を取り入れつつ、今では普通となったスーツスタイルにスニーカーを合わせたり、ベースのニコライはハイウェストスタイルにしたり、とにかく当時としては新鮮でカッコよかった。
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個人的にはギターのアルバート・ハモンドJr.のジャケットスタイルと、ドラムのファブリツィオ・モレッティのラフな感じのスタイルが好きで、よく参考にしていた。
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昔見たドキュメンタリー映像で、Oasisのノエル・ギャラガーが、「真のロックスターとは、周りの話し言葉や服装まで変える」という発言をしていた。
(※この発言はThe Strokesと同時期に活躍した英ロックバンド、The Libertinesに向けられたもの)
まさにThe Strokesは自分にとってそんな存在だった。
彼らはロックバンドにありがちな、貧困や差別、抑圧からの解放とは遠い、どちらかといえば裕福でエリートな立場である。
よくよく考えてみると、中流階級の家庭で生まれ、裕福とまでは言わないものの、何不自由なく育ってきた身としては、共感性という意味では、The Strokesの方が近かったのかもしれない。
彼らのアルバムは2011年リリースの「Angles」が個人的にハマらず、その次の「Comedown Machine」も1度しか聴かず、それ以来あまり熱心には聴かなくなってしまった。
その影響で、2020年リリースの「The New Abnormal」も当初はリリースされたことさえ気づかずにスルーしてしまっていた。
リリースからしばらくして、最新のアルバムの評判が良いことに気づき、ようやく聴いて感動した。いや、感動というよりは嬉しかった。
初期3作のようなキャッチーさやグルーヴ感が戻ってきて、途中ダラけるようなこともなく全曲聴ける。
正直、初期の曲に頼り続けるバンドになってしまうのかと思ったりもしたが、このアルバムでそんな懸念は払拭された。
そんな彼らは、もともと出演予定だったものの、コロナ禍で開催見送りとなった2020年フジロックのリベンジとして、2023年にフジロックのベッドライナーとして出演。
それまでタイミング合わずThe Strokesのライブを観たことがなかったので、ようやく生で彼らを見ることができた。
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メンバーも40半ばとだいぶ歳はとったものの、ファッション、立ち居振る舞い、サウンド、どれをとってもクールで、昔憧れたロックスターそのままだった。
50、60と歳を重ねても、変わらずカッコいい音楽とファッションを僕らに見せて欲しい。