それはそれは呆気ないもので
また発熱シリーズになって申し訳ないのだが、私は発熱するとよく悪夢を見る。
今回の発熱時にもやはり悪夢をみてしまった。
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23分間の奇跡
このお話を知っているだろうか。元々は本が原作なのだが、私は『世にも奇妙な物語』でこの話を見たのだ。
もう何年も前だったと思う。偶然見てしまったこの話を私は一生忘れないと思う。ホラーとかサスペンスでもない恐怖というものが存在する事を知ってしまったのだ。『背筋が凍る』という思いをしたのはこれが初めてだった。
ぜひ一度見て貰いたいので、詳細を載せるのは伏せるが、本当に気持ち悪い話だったので、私はもう二度と見ないと心に決めている。
私達は『人間』として生きている訳だが、一体どこまで『人間』としての性能を理解できているのだろうか。【人間の取り扱い説明書】なるものがあれば、とても楽かもしれない。けれどそんなものは存在しないのだ。
私はこの物語を見て、『人間』としての性能の脆さを知ってしまった。それはそれは呆気ないもので、今まで築き上げてきたものを砂の城の如く簡単に崩されてしまう。しかも崩している方は常に笑顔だ。なんの屈託もない。それが完全に『良いこと』だと思っているからだ。
刃物も脅しもいらない。ただ笑顔と承認だけ。そして驚くことに砂の城を崩されてしまった側も笑顔なのだ。
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なんなんだろう。この背筋を這うような気持ち悪さは。
二度と見ないと誓ったにも関わらず、こうして夢に出てきてしまうのは、やはり心のどこかに染み付いているのだろう。
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もし、このnoteを読んでいる方で【23分間の奇跡】を知っている人がいたら、ぜひ解釈を聞かせてほしい。この話は私だけの解釈で終わらせてはいけない問題な気がするから。