ハローワークからの不採用通知は最速だった
-BBAサバイバル12-
ありがたいアドバイスを受けて、みみずは帰宅するとPCにかじりついて公的機関の求人を漁った。結構あるじゃん。希望が湧いてきた。
市役所、県税事務所、福祉事務所、何とか委員会、何とか協議会。国民生活金融公庫もいいんじゃないの。コロナ騒ぎで、公的融資の窓口はごった返しているという。ちょびっとだが、昔、銀行で個人ローンを担当していた。決算書もそこそこ見慣れているし、急場しのぎのお手伝いでも、猫よりはましだろう。
公的機関の求人は、給与が高いとはお世辞にも言えないが、安定しているし、何よりも間違いがない。一度入ってしまえば、ぬくぬくした毎日が保証されそうな気配が漂う。だが、思うところはみんな同じだから、超人気、ゆえに、超タカビー。募集期間がすこぶる短い。一瞬出して、瞬く間に閉じられる。インディージョーンズの洞窟みたいだ。
おまけに、提出書類がそれぞれ異なる。みんな自分勝手な応募書類を設けているので、機関ごとにHPを開いて印刷する。様式8、様式9、様式13をダウンロードし、記入についてはこのページ記載の記入方法にのっとること、と言った塩梅。志望動機も、たっぷりスペースがとってある。なんとか、それなりの作文をひねり出す。はいはい、やりますよ。仰せの通り、あなた様のお好みに従うまでです。
年齢制限は、どこにもない。さすが、足並みを揃えている。
手あたり次第に出した。予想以上の手間がかかったが、これでぬくぬくが手に入ると思うと、お安い御用だ。これだけ出せば、何かしらには引っかかるでしょう。唯一の気がかりは、あっちもこっちも書類審査が通り、面接がかち合ってしまうこと。
ハローワークからの返信は一番早かった。すり寄るように柔らかに打ち上げたボールは、スマッシュで返された。それも正面返し。
それから毎日、返信封筒でポストがいっぱいになった。