運ゲー大学生活
大学生活1年目があと少しで終わりを迎える。
地方出身の私は首都圏の大学に進学して多様な文化や新しい人との出会いを夢見ていた。
受験を経て、都内の大学への入学が決まった。
せっせとアパートを探し、4月からの新生活の準備を始めたが、3月28日に発令された緊急事態宣言によって当時のあたりまえが大きく変化した。
入学式は規模を縮小して実施から中止に変化し、授業の開始は5月に延期された。しばらくすると前期オンライン授業のアナウンスがあり、夏にはそれが今年度オンライン授業に変わった。
大学生の中には想定外の状況に戸惑いの声が多くあったが、この状況下でもオンライン〇〇と精力的に活動している人がいる。
私はというと何もできずに少し病んでいた。想定では多くのものを漠然と捉えて、そこからどんなサークルに入るのか、誰と親しくなるのか考えたかった。オンラインでの繋がりしかないこの状況は情報までのアクセスが容易でなくなった。隣のグループの話を盗み聞きできず、サークルの雰囲気を感じることができない。多くの選択肢があるのに、感覚は十分にあるのに、SNSで得られる少ない情報で、その多くの選択肢や可能性をないがしろにしたくなかった。
私はこの点において譲ることができない。今、焦ってしまうよりじっくり待った方がよい。
1年が過ぎようとしている今、自分の選択に自信がない。
学校には一度も行けなかったが大学生活の1年を消費した。ずっと実家でステイホームしていた。
地方の大学に進学した高校の友人は通学して、制限がある中ではあるがサークルや学生団体で活動している。
就活で彼らと同じラインに立った時、私は何で自分をアピールしようか。
人と集まれば感染のリスクは高まる。それはみんな知っている。
自分の優先順位はなんだろう。