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映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」

もう10年以上も前に公開された映画なので、きっと観たことがある人も多いと思います。

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
9.11の映画。

泣いちゃった。
あれ?なんで泣いたんだっけか。
あ〜男の子が自分のことをずっと許せなくて、最後、やっとその思いを手放せるようになるんだよね。
人は、身近な人の死を体験すると、それが自分のせいだと思うものなのかもしれません。ましてやまだ幼いのなら特に。

9.11でお父さんを亡くした男の子のお話。

主人公は、この男の子。

トーマス・ホーン

この子、天才。
限りなく発達障害に近い少年という役柄で、神経質で鬼気迫る感じが出てて、最後まで観ることができました。ありがとう。

この子は、人とのコミュニケーションが取りづらく、電車にも乗れないし、音も苦手、橋を渡ることもできない。唯一落ち着く方法はタンバリンの音。ということで、怖い!嫌い!という感情が高まりパニックを起こしそうになると、タンバリンをジャラジャラと鳴らしながら歩くという。


そんな男の子が大好きなお父さんが、ある日、9.11の事件に巻き込まれて亡くなってしまいます。

トム・ハンクス

こちらお父さん。息子の理解者で、なんとか人とコミュニケーションを取らせようと、いろいろなミッションをつくって、いつも一緒に謎解き&冒険をしてくれるお父さん。

男の子からすると、外界との唯一のパイプ役なわけです。

まだまだ父親が必要な多感なお年頃の男の子。それなのに、ある日突然亡くなってしまいます。お葬式にも出れないんです。普通に習い事なんて行っちゃいます。認めたくないのでしょうね。

そして、実は父親の死を自分自身のせいだと責めているんです。でも、そんなの誰にも言えないし、自分でもその気持ちを理解しきれずにいる。

そんなとき、お父さんの遺品から鍵をみつけるわけ。謎解き&冒険好きなお父さんだったので、これはきっと自分に向けたメッセージだ!って。今までお父さんとやってきたように、その鍵で開けられるもの探しをひとりでスタートさせます。

が、しかし!電車に乗れないわけですよ。しかも、お母さんには内緒の自責の念のための冒険なので、車を出してもらうわけにもいかない。
だから、とんでもなく時間をかけて、歩いてニューヨーク中を回るという。
そして、その間も苦手だった人とのコミュニケーションを取りながら。

中には意地悪な人もいるし、病んでる人もいるし、もちろんいい人もいるしでいろいろな経験をします。

でね、「死」と「声」がテーマな映画なんだと思う。

印象的な話は、象って亡くなった家族の声をいつまでも覚えているそうです。だから、象に録音した亡くなった象の声を聴かせると、みんなすごい反応するんだって。まるで泣いているかのような。

そんな話も織り交ぜながら話は進んでいきます。


そんなとき、ある出会いがあります。
それは自分のおじいちゃんとの出会い。

マックス・フォン・シドー

イケメンおじいちゃんです。

このおじいちゃんも、幼い頃、家族を戦争で亡くす経験をしてる。で、家族って何か分からなくなっちゃって、家族から逃げて失踪してるんです。だから、息子(トム・ハンクス)は、父親を知らないで育ってるわけ。

人間関係が難しいと感じている、孫とおじいちゃんがコミュニケーションを取るのだから、いざこざがないわけがない。

そんな人間模様も互いを成長させるのでしょうか。


最後、どんなふうに自分のことを責めているのかを告白してくれる場面があるのですが、いろいろな冒険をして、ある意味自分を俯瞰してみれるようになったからか、淡々とした感じが半分、感情的な部分が半分の感じが、なんだか真実味がありました。


きっと、いい大人に成長してくれる気がします。
映画の中の子だけど。



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