ビートが残れば
自分の声を誰かに録音してもらって、
誰かに聴いてもらう音源をつくる。
フロントに立つことを決めた以上、
いつかと思っていたけど、
自分の声のコンプレックスもあるし、
どこかで本気に考えてなかったと思う。
中3からギターを始めて、
÷2+3くらいの年になった時、
初めて弾き語りで立ったステージがある。
ガッチガチに緊張したけど、
清算のとき温かいオーナーの言葉に救われた。
フォローしてくれたスタッフさんにも。
そのステージをずっと守ってこられたオーナーが 引退とともにお店を閉めるかもって事を聞いたとき、この場所で、自分の歌声をレコーディングすることを決めた。
ここからは、録音した曲のことを書きます。
カウントから最後まで曲を止めずに録音する、
一発録りと呼ばれる方法で録音しました。
『照らす』という曲を録音しました。
どん底な気分のオープニングです。
よく分からなくて楽しくもない最初のパートかもしれませんが、どうか辛抱してほしい。僕も、いつも演奏しているときは真っ暗闇の中のような重たい気持ちです。でも、奥の方に何か有る。
逃げ出したい投げ出したい気持ちの、
奥底に有る意思のことを歌っています。
比叡山天台宗延暦寺開祖、最澄さんのお言葉に
『一隅を照らす、』
というお言葉があり、そこからタイトルをお借りしました。お言葉の内容をもう少しくわしく書くと、
「一隅を照らす、これ即ち国宝なり」という教えを示されて、自分が世間の目立たない処に在っても、又自分の力が目立たない力でも真の心に努め、尽くすことの大切さを説かれ、そのような人を国の宝として比叡山で育てるよう教えを残されました。(比叡山延暦寺HPより https://www.hieizan.or.jp/kotoba/kotoba-h27)
この解釈を素直に読むと、
『目立たなくても努力してる人を大切にしよう』
って受け止めてしまうかもなんですが、
『一人一人が大切な宝』
という解釈をしています。同じ時代を生きられた
高野山真言宗弘法大師のお言葉に、
人間は誰もが胸のなかに、宝石となる石を持っている。一生懸命磨いて、美しく光り輝く玉になる
というお言葉があってとても好きな言葉なのですが、きっとお二人の言わんとするところは同じもので、それぞれの人格や届けようと思われた対象が別なのかなと思います。
カップリング曲(今は死語でしょうか)に、
『僕は君を支持する』という曲を録音しました。
地域の消防隊に入っていた知人が、
若い年下の隊員と訓練していたとき、
たまたま観に来ていた、引退された先輩から
指導としてあれやこれや言われた後、
「釈然としない…」
と呟いたのがやけにツボだったという話を聞き。
無性に若い年下の隊員の事、応援したくなって。
アップテンポに仕上げたいなと思ってから、
デモを作るまで早かったような気がします。
前のバンドでもよくセットリストに入っていて。ライブではバンドアレンジされたり、ボーカルの歌いやすいメロディーにアレンジしてもらって演奏してましたが、最初のデモのアレンジで録音しています。
物理の音源はライブ会場のみで販売しています。
ぜひ遊びに来て、連れて帰ってやってください。
※リリースは2022年ですが、下書き時から追記したため、公開日が2023年になっています。