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turbo1019
第164回芥川賞予想 その①
いよいよ、2021年1月20日に、芥川龍之介賞が発表されますね。候補作は事前に公表されているので、いつも、どの作品が受賞するのかわくわくしながら過ごしています。
さて、今回は、それぞれの作品の序盤を読んでみましたので、私なりにレビューしてみたいと思います!!
と、その前に。なんと大本命である宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」は、手に取ることが出来ませんでしたので、読むことが出来たのは4作品です。「推し、燃ゆ」はそれだけ、注目度が高い作品と言えるかも知れません。それではレビューしていきます。
1. 乗代雄介 「旅する練習」
「私」と亜美という中学生の少女の、小さな旅の様子が綴られています。序盤はほのぼのとした家族の会話があったり、小さな風景が描かれていて、ここからの話の展開が見どころです。話の中に文章の挿入があったり、時勢を反映した設定に工夫を感じました。
序盤の評価:★★★☆☆
2. 尾崎世界観 「母影」
邦ロック好きには堪らない、ご存知クリープハイプのボーカル尾崎世界観さんの小説です。私が読んだのはまだ序盤ですが、重い。一文一文が、重い。重く、淡々と繋がれていく音程、曲の入り口です。
1ページ目から尾崎節が炸裂していて、クリープハイプ独特の、性と生を濃く描いて何故か懐かしく胸を締め付けられるような情景が淡々と展開します。語り手は小学生の女の子と思しき人物で、それがまた心を苦しくさせます。
ハムスターが出てくる場面がありますがそれにはちょっと笑いました。
クリープハイプの曲でもかなりインパクトがあり、この作品のモチーフを感じられる「欠伸」という曲のリンクを貼り付けておきます。残り作品のレビューは後編に続きます。
序盤の評価:★★★☆☆