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うつ病患者が甘えていると思われる原因
うつ病にかかると、甘えているとか、努力が足りないといった誤解を受ける事も多いですが、その原因の一端は、普通の病気の症状(痛み、吐き気、熱など)と違って、うつ病の症状は努力や工夫で、改善しそうに見える物が多いためだと思います。
【甘えだと勘違いされやすい症例】
・やる気の低下
・ネガティブマインド
・感情のコントロールができない
・コミュニケーションが取れない
・記憶力の低下
・考える力の低下
・生活習慣の乱れ
・不眠/仮眠
・運動不足
・体重増
・身だしなみを整えられない
・入浴などの衛生管理ができない
・掃除、整理整頓ができない
・家事ができない
・育児ができない
・毎日ゴロゴロしている
・外出ができない
・仕事ができない
・お金の管理ができない
(他にもあると思います)
上記のような症状と言うか状態は、元気な人であれば努力で改善ができる場合も多いと思います。
しかし、脳の機能に異常が出ているうつ病では、努力で改善は困難ですし、努力をする事がストレスになって、更に病状が悪化する場合もあります。
健康な人とうつ病の線引きは、『努力で改善可能かどうか』だと言ってもいいかも知れません。
胃や腸の機能が低下すると、消化不良を起こしたり、お腹を下したりしますが、同様にうつ病で脳の機能が低下すれば、脳が行う仕事、思考や感情の制御、体を動かす指令を出すなどが、上手く出来なくなります。
根性で下痢が止められないのと同じで、うつ病の各種症状も、根性で改善できる物ではないのです。
そういう違いがあるというのは、精神疾患にかかった経験が無い人には、感覚として理解するのは難しいと思いますので、まずは知識として知ってもらうのが、第一歩かなと思います。
尚、ネット上では「私は努力で直せた」と、言っている人も沢山おります。
しかし、何度かうつ病の改善と悪化を経験した私からすると、「うつ病が治って来たから、できるようになった」と考える方が、より現実に近いと思います。
心がけで若干の改善は可能かも知れませんが、うつ病が回復した時に可能になる改善は、そんなチョットばかりの改善ではありません。
1日の大半をゴロゴロして過ごしても、お風呂に入る元気が残っていないという状態だった私が、うつ病が回復していた時は、会社に出勤して1日8時間働いた上に、帰宅してお風呂にも入れる人間に戻ったのですから、工夫とか努力の問題ではないのです。
実際に体験した私でも、別人になったようだと思いますが、それがうつ病なんですよね。
ですから『私は努力で直せない、ダメな人だ』と考える必要はありません。
しかし、この『努力で改善できそう』に見える症状が、うつ病への偏見を強くしている、要因の一つだとも思います。
普通の人なら、努力でなんとか出来そうだから、「出来てないこの人は努力が足りない、甘えている」と思われてしまうという事ですね。
一般常識とは違う状態になっていると、知ってもらう事ができたら、うつ病への理解も深まるのではないかと思いますが、現在はまだまだ難しいなと思います。
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