ヒカリノオト ⑨
『どうやって歌っていますか?』
その前に
『どうやって声を出していますか?』
これも、自転車と同じで言葉での説明は難しいのではないでしょうか。
自転車と違って、声の出し方は誰かに教わることではないですね。
オーディション番組の中では、様々な声の子達がいます。
それぞれとても魅力的です。
歌唱力の違いや、元々の声質の違いはありますが、ビーファーストのソウタ君やマーゼルのタクト君などは、歌に関してはほぼ未経験でした。
ですが、現在は二人とも「それなり」なんてものではなく、
「歌って!」「もっと聴かせて!」
そう思ってしまうくらい、魅力とパワーに溢れています。
ソウタ君に関しては、不十分なところはオーディションの段階でも、歌唱指導専門のりょんりょん先生のアドバイスや指導で、みるみるうちに上達して、見ていてうれしくなるくらいでした。
タクト君に関しては、オーディションの段階で、日高さんが高く評価されていました。
最近の活動を見てみると、タクト君の歌声は、ほんとうにやさしくて魅力的なものであり、彼が歌う姿はなんとも美しい。
日高さんは、彼らがこうなると
どうしてわかったんでしょう?
『 声 』
『 歌う 』
って、なんなんでしょうね。
以前、ふと思ったことがあります。
何らかの形で音楽に関わっている方は、話していて心地よいと感じる率が高いなぁと。
声のトーン。リズム。間合い。
喋っている最中に、たまたま相手の方が長く話すタイミングだと、話しているのに、歌っているみたいだなぁと思ったことが何度もあります。メロディーやリズムが生まれちゃってる。
おそらくですが、
まず "聴く"という能力が高くないと音楽はそもそも無理。
そして、歌声を人に聴かせられるレベルのものにできる人というのは、歌っていない時でも、なんというか「耳がいい」
わけですから、自分の声のちょっとした違和感とかもキャッチしてしまう。
それはきっと、音痴の人は耐えられるというか、スルーなんだけど、耳のいい方々は
「きもちわるい」と感じ、即座に調整が入る。
自分の声なわけですから、無意識に日常的に、それこそ「物心つく前」からやっているのでしょう。
歌でなく楽器でも、その楽器の音がちゃんと聴けないといけない。単独でない場合には、別の音も。そして自分の声や楽器の音が、その別の音とどう重なるか。
耳が聞こえる
そう言えるすべての人は、
「聞く」「聴く」
ということをやっているわけですが、
「どのように聞こえているか」
「どのように聞いているか」
は、きっとそれぞれものすごく違うのでしょう。
歌える
音楽をやれる
という時の、いっちばん下の最低条件として「聴く能力の高さ」があるのかも知れません。
更に、歌える人は運動神経が高いことが多い気がします。
「音を出す」
「声を出す」
というのも、声帯だけでなく、全身に関わる運動神経を使うわけですから、それが上手いということは、
「今、どこがどうなったか」
まずわかることと
「どうすれば、思ったような変化、調整ができるか」
それをわかっている。
出来ている。
ということだと思います。
決して「見える」わけではないけれど、「わかる」「上手に扱える」
多くの人が、心地よいと感じるレベルに「歌える人」
というのは、最低条件としてこれができているということなのかもしれません。
オーディションで日高さんが一目惚れ、というか一聴き惚れのようになったシュント君。
彼の声もほんとうに魅力的ですが、デビュー後、彼が大好きなウーバーワールドのステージに参加して、「在るべき形」と言う曲を歌う動画があります。
思わず「後で見る」に保存してしまったのですが、彼が歌う前に少し自身の過去について話します。
その後、歌うのですが
自身の所属しているグループのどんな曲より輝いているのではないか?
なんなら、本家のウーバーワールドより、パワフルなんじゃないかと思うくらいのものです。
「在るべき形」という曲は、もうシュント君の一部だし、シュント君をシュント君として、それこそ
「在るべき形」にするのに欠かせないものだった。
避けようがないくらい、防ぎようがないくらい、歌声がこちらに突き刺さります。
「歌っている」というより、
「シュント君が爆発している」
その人がその人の、
過去も現在もそして未来も
ぜんぶぜんぶ
まるごと 何もかも
大好きだ!!
うれしくて仕方ない!!
歌声の中にそれが満ち満ちて溢れて爆発する。
そんなことが起きると
聴く人の中の
その人自身も
そのありかも、存在していることすら知らなかった何か、
「溶かされたがっていた何か」
「自由になりたがっていた何か」
何故かそれを見つけ出す。
そこに到達し、打ち砕く。
撃ち抜く。
救済力
そう呼んでもいいかもしれません。
「そんな事が起きる」
誰かの歌声は
「そんなことを起こす」
ことがある。
現在進行中のオーディション番組。
NoNo Girlsでは、ちゃんみなさんが、
「声には全部ある」
その人の個性、考え方、経験してきたこと全部、声にある。
だから、声を重要視する。
そうおっしゃっています。
声って
なんなんでしょうね。
声の話し
もうちょっと続けます。
あなたは どんな声ですか?
つづく!