地面に落ちたファミチキを食べた

夜道。いつも通りファミチキを食べながら自宅へ向かってぼんやり歩いているとふとした拍子に残り一口のそれを落とした。
Q.あなたは真っ暗な夜道を一人で歩いています。すると急に肩を叩かれました。その人は誰でしたか? フフフ、そりゃケンティ〜がいいわね。
なんて心理テストを思い出していたところだった。(A.その人はあなたが好きな人です)

バカみたいだけど、落ちていく様はスローモーションに見えた。
私はつい立ち止まって、あまりにもしょうもない自分の人生を振り返ってしまった。

ごく普通の家に生まれた私は、共働きの両親にほっとかれながらのびのびと育った(だから歩きながらファミチキも食べる)。
「地元は何か違う」「自分の中にある何か変えたい」「他人に何か影響を与えたい」とぼんやり思いながら上京したはいいものの、その「何か」が全く分からず2年が過ぎようとしている。

SexyZoneのライブに全滅しても、全然男にモテなくても、痔で血まみれになっても、いい年してJKみたいな理由で友達とケンカしても、マンションの両隣が騒がし過ぎても、そして雨降る道路にファミチキを落としても、もっと上手に生きたいのに、変わりたいのに不器用でツイてない私だ。嫌になるくらい私だ。

そう思った間たったの2秒。私は落ちた残り一口を素早く拾って口に放り込んだ。
なんかちょっとまずく感じて、食べたことを後悔した。

人生、全部、ハズレ。