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『愛がなんだ』

愛ってなんだ?
恋ってなんだ?
好きってなんだ?

今日は映画『愛がなんだ』を観て、愛について思うことを書きたいと思います。

愛がなんだ、の登場人物は、なんていうか一言で言えば、愛に飢えた駄目な大人たち。人の恋愛にはアドバイスできるのに、自分のことになると訳わかんなくなっちゃって、空振り三振してしまう。なんだか、愛おしい限りです。

主人公のテルコは、なんとなく、だらだらと始まってしまった恋愛で、ただただ真っ直ぐ突っ走っるタイプ。テルコの愛は、執着から意地に変わっていくように見えました。相手のための愛なのか、自分のための愛なのか。テルコは誰のために、何のために、全てを犠牲にしていたのでしょうか。そして、好きが返ってこない好きな人に尽くすことは、愛と呼べるのでしょうか。テルコにとっては、マモルを好きでいることこそが愛なのかもしれません。でも、それは愛し合ってるわけではないんですよね。

テルコの依存相手、マモルは典型的なダメ男。テルコもきっと、ダメな男であることは段々と気づいていったはずです。でも、好きにさせる何かを放っているんでしょうね、あの男は…。テルコと出会った頃のマモルは、カッコよくて、なんかいい男な描写をされてるのですが、程なくして甘え上手でテルコを良いように使う、嫌な男になっていきます。しかしスミレと出逢って、追いかけられる男から追いかける男へ大変身。灰皿をはい!って置いたり、お酒をどうぞ!って渡したりする場面は、テルコの好きな人のためならなんでもする!と完全一致。こっちを振り向いてほしいんだよなぁ、。わかるよ、わかるけど、やるせないよ。見てられないよ…って気持ちになりました。

二人の愛って、すごく似てると思うんです。一方通行の愛で、一人で恋をしている。二人で恋愛が成り立ってないんです。振り向いてくれない相手を思い続けるのって、本当に大変で苦しくて、いつか限界が来てしまう。好きと言っても、好きと返ってこなくて、でもちょっとこっちを見てくれただけで、本当に幸せで。相手を好きでいる時の自分は、とっても苦しいはずなんだけど、一緒にいたくて、「いつまでも好きじゃないよ〜」なんて嘘をついてでも、近くにいたくて、離れたくなくて、本当に、本当に愛してるんですよね。気づいてもらえないけど。

そして、ナカハラくん。「幸せになりたいっすね…。」っていう、台詞が私的一番染みまして。そう、本当に幸せになりたいよね!!!ナカハラくんは、ずっと一途に一人の人を想っていて、初め、相手が自分のことを好きって思っていなくてもいいと思っているのかなと考えてました。でも、"幸せになりたい"という台詞を聞いて、あぁ、やっぱりつらいよね、って思ったんです。相手に尽くしても、体を許しても、報われない。今の関係から進みたいけど、壊したくない。怖い。でも、幸せじゃないことはわかっている。愛したいし、愛されたい。

………。
愛ってほんと、難しくないですか…。

でも、たとえば人を愛せることの嬉しさや、素晴らしさを知っていることだって、愛そのものであると思うんです。

かけがえのない存在と出逢って、どうしようもなく惹きつけられて、恋焦がれて、愛する人の笑った顔を愛しく思う。悲しい時は、助けたいと思う。恋をしたら、必然的に愛を知ると思います。

それに、すっごく仲が良くて、距離も近くて、知らない人が見たら、付き合ってるのかな?恋人同士かな?って思う二人が、恋人以外の友達か、セフレか、何者たちかであるように、恋人という括りでなくても愛って存在する気がします。愛は二人の人間がいて発生するもので、それが愛なのか愛じゃないのかは当人たちにしか分からないと思うんです。私が愛じゃないと思うそれは、今これを読んでいる貴方にとっては愛かもしれない。

愛は数字で示すこととか、形として見えたりするものではないけれど、たしかにここに、存在してると思います。

だからこそ、私が愛だと思えばそれは愛であるし、貴方が愛だと思えばそれは愛なのです。

愛って、幸せで、苦しくて、楽しくて、切なくて、、難しい!!!

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