プロレスファンが見た「さようなら花鳥風月ライブ」が極上のプロレスだった
配信開始から1週間近くたつのにまだ余韻の中。
配信本編は2回視聴。各芸人さんのアフタートーク的な配信、noteも可能な限りチェックし、そもそもの発端となったニューヨークchの動画も見返すと「あ!ここで太朗さんいたんや!」と新たな発見もあったり。
昨日の昼休みにふと学生芸人についての動画を久しぶりに見たら、当時はさらっと見てそれなりに笑ってはいたけど、ヤスが今回の「あの」ヤスであるという認識はなく「お!」となったり。
挙句の果てには昨日のWednesdayのDTで「9番街レトロ」の名が挙がり、数週間前なら素通りしていただろうに、これまた知ったか顔で「お!」となり。
さらに今日上がった「3分煽り動画」見ただけでなんならウルっとしだしたり、もう完全にあのライブに魅せられ取り憑かれた5000人超の変態の一人となってしまいました。(後悔してません
このライブのすばらしさや熱さについては当事者含め皆さんが語っています。本日↓の素晴らしい投稿があり、私もこれ以上ないというくらい感動し共感しましたし、そもそも文才もありませんので多くを語るのはやめておきます。
が、1点。「プロレス」というワードについて。
今回に限らず芸人さんが「ワチャワチャした乱闘ノリ」や「喧嘩芸」のことをプロレスと称することは非常に多く、今回も流れの中で何度か出てきましたし、ライブの感想でも
「・・・1番の個人的発見は、芸人さんが筋書き通りのノリの喧嘩の際に「プロレス」という言葉を使ってる事です。・・・」
とツイートされている方もいらっしゃいました。
こういう使われ方が面倒くさいプオタや関係者の目に触れてしまい「命を懸けてやってるプロレスラーに失礼だ!」とかなんとか云われてプチ炎上しているのを見たことも幾度かありますが、自分なんかはもうそういうのはとうに過ぎて何週も回ってしまうくらい歳を重ねていることもあり、大好きなプロレスが例えに使われていること自体が基本嬉しくて、怒っている熱い皆様と目を合わさないようにしていることも多かったりします。
ガチな感情見え隠れして、どこまでガチなのか分からなくなったり、根本に信頼関係ある人となさげな人いたり、そんなの関係ねーとばかりに自分の仕事し続ける奴いたり、最終的にホロっとして、今後続く大河ドラマを追っていこうと思わされたり、間違いなく極上のプロレスでした。
— TxMxNxR (@32rocket) May 9, 2021
#さようなら花鳥風月
そのことについて触れた自分のツイートもなんだか140字では言葉足らずな気が勝手にしていまして思わずnote投稿をしてしまった次第です。
プロレスを「茶番」や「八百長」の意味で使う人に腹が立つ気持ちはわかるんですけど、比較的正しそうな使い方でも怒られがちなのが難しい。
— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) February 23, 2021
先日の吉田豪さんのこのツイートには首が伸びてちぎれてしまいそうなくらい頷きまして、このライブ配信が仮に1万を達成してしまったときに、それを評する「プロレス」というワードに脊髄反射する面倒くさい方が出てくるのも容易に想像つきましたので先回りしておきたいなくらいの気持ちで書いています。
下記私がプロレスを何十年見てきて思うプロレスの魅力です。
・強さが全てではなく、巧さ、負けっぷりなども重要。
・信頼関係がないと成り立たない
・でも時々本当に信頼関係がなさそうなもん同士が闘ってぎくしゃくすることがある。
そのギクシャクも想定内ギクシャクと想定外ギクシャクがある。
・仮に結末が決まっているとしてもそこにはリアルな感情が存在する。(嫉妬、反骨、友情、先輩後輩同期関係、「道場では俺の方が強いのに」という意地…)
・リアルな感情が走り過ぎて想定していた結末にならないことがある。
・一方がプロレスのつもりだったのに相手からガチを仕掛けられ不穏になることがある
・気楽に見ていた側が「あれ?これガチ?」とざわつくことがある
・見ている側がガチだと思っているが実はガチ風だったりすることもある
・感情を出すのは苦手だがとにかく仕事は上手で自分の仕事に徹する職人が必ずいる。
・試合前や試合後の舌戦(マイク合戦)で気合い入りすぎた結果笑いにしかならないこともあるw
・お互いのネガティブな感情も試合終えてみると丸く収まっているっぽいことがある(でも本当のことは本人同士しかわからない)
・最終的にガチだとかガチでないとかそういう次元とは関係なくウルウルしている。
・今の関係、今の立場の差は現時点のものでしかなく、それが10年後にどうなっているか、ファンは大河ドラマ的に楽しんでいる。
・応援したくなるか否かは強い弱いではなく、やはり生き様が面白いか、愛おしいか。
もう見事なまでに今回の「さようなら花鳥風月ライブ」や出演芸人さんの魅力と一致していて、書いている自分もびっくするほどです。プロレスファンなら上記のどの部分にも該当する名場面や名レスラーが思い浮かぶはずです。そしてプロレスを知らずとも今回のライブご覧になった方はライブ内のどの部分のことを指しているのか理解するのは簡単なのではないでしょうか。
試合にも興行にも団体の歴史にもそのレスラーの人生にも喜怒哀楽が詰まっているとことこそがプロレスの魅力だとよく語られますが、今回のライブについてもニューヨークさん以外にも多くの方が「喜怒哀楽の詰まったライブ」と表現されていました。屋敷さんの見たかった「しょーもないプロレス」ではなかったかもしれませんが、間違いなくプロレスの魅力が全部詰まった「極上のプロレス」でした。
プロレス好きな私がこんなにもこのライブに熱を上げてしまったことも、そもそも芸人さんにプロレスファンが多いのもぜーんぶ説明ついちゃうかもしれません。
ま、この投稿自体でお笑いファンをプロレスに引き込んだり、プロレスファンをお笑いに引き込んだりができるなんてたいそうなことは全く思ってませんが、私がかねちーの言う「すぐプロレスに例える」だりぃ中年であることだけは間違いないかと思ったりします。