おとなの恋は、まわり道
愛と教養のラブコメ映画講座を履修するシリーズです
今のキアヌとウィノナのラブストーリー。2人ともアラフィフ。
とにかくとても、ウザい!そして共感性羞恥心を刺激されまくる「これわかる!やってる!」というゾワゾワ感すごい。きつい。笑っちゃうのだけどきつい。
リゾート・ウエディングに招待されたフランクとリンジーは、同じ飛行機を待っていた空港で、初対面にもかかわらず、いきなり口論してしまう。そして、いざ搭乗してみると、なんと席が隣同士だった。気まずい雰囲気の2人だったが、どちらも結婚式への出席が渋々なことが分かってくる。その後もなぜかずっと顔を合わせることになってしまい、毒舌家の2人は延々と互いの意見を戦わせ続けるのだったが…。(アリスシネマより抜粋)
キアヌ演じるフランクとウィノナ演じるリンジー。2人以外に台詞を発する人はいません。会話劇っていうのかな?シチュエーションの制約が強くて舞台っぽい。
展開としては、出会いの印象が最悪で何なのアイツ失礼しちゃう!!でもどうして??気になっちゃう!キュ……ン!的な少女漫画なんですけど。2人とも中年で世の中ある程度予想ついているから、ついつい現実への予防線を張ってしまい。いちいち言い訳がましくて面倒くさいの。でもねわかるの!これはもう、こじらせた中年にはとてもよくわかるの。
フランクとリンジーどちらに感情移入するかと言うと、私は女性だけどフランク。リンジーはまだ恋愛に希望を見出しているし、植物に愛情を注ぐ程度には未来をみている。フランクは過去と損しないこと傷つかないことばかり考えていて予防線ばかり張っていて自分を見ているみたいだった。後半にフランクが言う「可能性があるという可能性がないこともない」ってあんたどこの進次郎よ!ってくらい面倒。自分の欲求を素直に認められないから言い訳を探してこねくり回した結果、進次郎になるんだよね。わかる。だから命の危険を感じた時しか素直に動けないんだろうな。
あの本能に素直になってしまったシーンは、ピークのタイミング合わないところと、お互い自分の都合で話するあたりに2人のここまでの人生を垣間見るよね。あとフランクのフィニッシュがうるさくて笑った。こんな男いるよね!と開かなくてもいい記憶の扉も開いちゃった。
個人的にはあんまり好みの作品ではなかった。つまらないわけではないけれど、集中力がないので2人だけの会話劇に飽きてしまうのよね。試みとしては面白いのだろうけど、時間が短めなので何とか観終われた感じ。それと自分自身で目をそらしてる事実を突きつけられてるようで、私がまだそれをちゃんと見れるほど自分を肯定できてないって可能性もある。
私の中のウィノナ・ライダーは「17歳のカルテ」で止まっているのでこんな感じだっけ??となってしまった。痩せた白人女性って年齢を重ねると似た印象になりがちだなと思うの私だけですかね?顔の感じがヘアスプレーの時のミシェル・ファイファーっぽかった。キアヌに関しては「いつかはマイベイビー」が最新キアヌなので特に違和感なかったのだけど、マイベイビーのキアヌはキアヌでどうかしてるのでこの感覚が正しいのかはちょっとわからないです。
こじらせアラフォーは、自分を返り見るために観ても良いかと思います。ほんとに…
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