花火大会
どこの夏祭りでどこの花火大会だったのか
思いだそうとしても思い出せないそんなお話
昔は、夏のお盆の前後になると田舎の市町村でも
小さな花火大会が多く開催されていました
私は単車のツーリング仲間の友人数名と
ある港町の夏祭りで行われた
小さな花火大会に参加しました
日もすっかりと落ち 涼やかな風が吹く
真っ暗な海に向かって砂浜に座り
海側に花火が打ち上げられる
とても可憐で美しい花火大会でした
花火と花火の合間が今のように短くなくて
数秒の間をもってゆっくりと打ち上がる
そんな花火でした
そんなとき 花火の合間に私は
なんだか奇妙なモノを夜空に見たのです
それが何なのか 理解できませんでした
明らかに花火とは違う光を放つ何か……
我々観客の頭上から真っ暗な海のほうへ飛んでいく
花火とはまったく違う 虹色に光るなにか……
瞬間 頭を殴られたような衝撃が走りました
なんだアレは!!
その大きさは1〜2メートル程度
自動車よりは確実に小さかった
一緒に花火を見ていた友人たちはまったくそれを
認識できなかったらしく全く反応がありませんでした
私は他の観客にも見えたのか近くに座っていた
人々の様子を確認したんです
すると少し離れたところに座っていた
一人の若い女性が混乱した様子で空を指差して
一緒に花火を見ていたであろう友達に手をふりかぶり
懸命にその出来事を説明をしてるようでした
しかし私は正体がわからない何か、
そんな不確かなことで 友人達の花火見物を中断させるのも
気が引けたので花火大会が終了するまで黙っていました
ようやく花火大会が終わって
友人たちに変な光を見なかったかと
聞いみたのですが……
やはり見てないと……
あぁっ 私はその光は花火の残像だったのだと
その時は納得したつもりでした
しかし 今でもあれは花火とは全く異質な光体だったと思っています
でも それがアレだったとは 確信をもてずにいます
そんな不思議な出来事でした