人影
その日も、仕事が遅くなり午前零時をまわった
いつもの道を愛車(自転車)で自宅へ向かっておりました
自宅前は学校で鉄扉の裏門がありました
学校の近くまでくるとその鉄扉を宿直の先生なのか、カギがかかっているのかを確認するかのように、ガチャン、ガチャンと揺する音がして、背の高いスラッとした人影が校庭の奥(暗闇の中へ)へ歩いていく姿が見えたので、宿直の先生もこんな時間まで大変だなって、何の疑問もなくそのまま自宅に帰ったのです。
その夜は母がまだテレビを観てウトウトしていたから、
私「前の学校って用務員さんとか宿直の先生とか今だにいるんやねえ」って話をしたら……
母「そんな人らはもうおらんよ」
私「えっ、マジで!? 鉄扉をガチャンガチャンって確認してる人おったよ?」
母「勘違いか、風で揺れたんちゃうの?」
私「いや、学校の先生のような人が校庭の奥へ(職員室の方へ)行く姿見たで…」
当時、大阪の池○小学校で児童殺傷事件が起きたばかりだったので、何かあると大変だからと、一応、警察には連絡しておこうと、間違いなら間違いで安心できるからって近くの交番ではなくて警察署に通報した
しばらくすると、パトカー数台と刑事らしき人物7〜8人が来て私に事情聴取と周囲の見回りや近所の人にも事情聴取していたけれど、小一時間ほど警備したあと、特別問題ないということで、警察は帰ってしまいました
私もそれで、なんとなく落ち着いて、まあ勘違いだったのかなって、児童殺傷事件のことがあったので少し神経過敏になってたのかって、その夜はそのまま就寝しました
そんな出来事もすっかりと忘れ、数カ月〜半年くらいたって
母が学校のPTA会長さんから、内密の話なんだけれどもと……
実はあの騒動があった夜の正にその時間に、
そこの学校の先生がある病気で急逝された時間だったと聞いてきた
急病で入院されてからも、子ども達のことをとても心配してされていたとも……
……よく耳にするあるある話ですが、
私は実際にその経験をしました、けれども怖さは微塵も感じませんでした
その先生は背の高いスラッとした先生だったらしいです