叱る、怒る、注意する
ある日の出来事
いつものように教室に行きレッスンの準備をしていた。1日に3本のレッスンがあるので最初のレッスンの1時間前には教室に行き、毎回同じようなルーティンをこなす。大体は
掃除→事務仕事(お金関係、体験の確認等)→自分のストレッチ→振りの確認(ここで作る場合も)
そんなことをしていると生徒がやってくる。
その日も特に変わりなくやっていたが、たまたま遅刻してきた生徒がいた。そしてたまたまいつも送迎してくれるママではなく、パパだった。
たまたまとたまたまが重なった日。
そのパパが駐車スペースを見間違えて他テナントの駐車スペースに停めてしまった。送るだけなのですぐいなくなる予定だったが、生徒管理で使用している端末の操作などに時間がかかってしまい、5分程駐車してしまった。
そこへこれまたたまたま他テナントの方が来て、知らない車があることに気付いた。よくある駐車場トラブル。
とはいえ私のレッスンでははじめてで、3年程その教室を使っているが今まで何もなかった。(保護者の皆様ありがとう)
パパに端末操作を教えているところにドンドンと強めのノック音。
音楽がかかっていたとはいえ、かなり響き渡った。私も驚いてドアを開けると殺気だった男性が。殺されると思った。
実際には注意しに来たのだが血相変えて怒鳴りこんできたので、私も圧倒されてしまった。一通り怒鳴られ、謝罪し、すぐに車を移動してもらい、私から保護者への日々の注意喚起の内容を見せたら落ち着いていただき、一応納得してもらえた。
その後はどうにか最後までレッスンすることはできた。
悪いのは私たち、それは間違いない
出来事としては100%私たちが悪いし、注意喚起をしていたとはいえ起こってしまった事実は変わらない。そこは教室長にも報告し、全講師のLINEグループで再度保護者への注意喚起、レッスン前に講師の目視チェックを徹底すことがアナウンスされた。
あとはもう同じことが起きないことを祈るばかりだが、年上の男性に怒鳴られるということがこんなにも怖いことなのだと知った。
世間でいうパワハラとはこういうことなのかと。
力では勝てない相手に目の前で血相変えて怒鳴られたらもう死を覚悟するしかなかった。
大げさかもしれないけど、そのくらいの恐怖を味わった。
正直今でもレッスンに行くのが怖い。
無責任には逃げ出せない
怖くて、怖くて、抗不安薬を飲みながらレッスンするのは異常かもしれない。でも、今私がレッスンを辞めます。なんてことは言えない。
辞めるのは簡単だけど、今いる生徒はどうなる?
冬の発表会に向けて制作している作品が無くなり、発表会に出られる可能性も低くなる。これまで私を信頼してくれていた人たちを裏切ることになる。
私にはそんなことはできない。
この怖い気持ちを押し殺して、毎週毎週レッスンに行かなければならない。
怒鳴ってきた人はもう過去の出来事になっているかもしれないし、私の気持ちなんて考えてもないと思う。考えてほしいわけでもないが。
でも、怒りに任せて怒鳴る前に深呼吸してほしかった。
怒鳴って言っても、普通のトーンで言っても内容は変わらないし、怒鳴られたら怒鳴られたことに対する恐怖の記憶のほうが残って、肝心のことが薄れてしまうような気もする。
気付けたこと
でもここまで怒鳴られて身をもってその影響を実感できたのは良かったかもしれない。自分の子供に対して絶対に怒鳴らないと決意できた。
怒鳴ることのリスク、怒鳴らなくても伝わる話し方。
そんなことを改めて考えるきっかけになった。
生徒に対してもむやみやたらにあーだこーだ言うのではなく、成長できる指摘の仕方を考えなければならないと思った。
こうやって文章にすることで少しでも自分の中の恐怖心が少なくなることを願う。