書評:『現代の経営』(P.F.ドラッカー)
『現代の経営』(P.F.ドラッカー)
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これも邦題が最悪だが、原題は"The practive of management"であり、新訳した上田さんが書かれているように『マネジメントの実践』である。
言葉としてのマネジメントを知っている人は多いが、実際にマネジメントの仕事をした事のある人は少ない。その仕事を見ている人も少ない。マネジメントの役割をしているが、ちゃんと出来ていない人も多い。つまり、ちゃんとしたマネジメントの数は非常に少ない。希少なのである。
ドラッカーはそのマネジメントの仕事とは何たるかのガイドブックをこの"The Practice of Management"で書いている。仕事の定義、目的、何を決めなければ行けないのか、何をManageするのか、マネージのしかたはどうあるべきか、何のための意思決定か、組織と文化、取締役会とCEOなど、上巻だけでも多岐にわたる。そう、マネジメントの仕事は多岐に渡るので、それを全部解説しないと、マネジメントのガイドブックにはならない。マネジメントの仕事は大変なのである。
自称マネジメントのへぼマネジメント論は多いが、ドラッカーの『マネジメントの実践』は本物である。特にこの『現代の経営』は、マネジメントの仕事を一度でもした事のある人には役立つと思う。本の名前の通り、実践的に書かれているので、実行できる。
マネジメントを管理者として、人を管理する人と定義しているような人は、マネジメントとして失格である。そのことを、ドラッカーは分かりやすく解説しているし、そうではなくて、何をManageするのかを書いている。ManageとControlは違うのである。
ドラッカーが「若い人に読んで欲しい」といった3冊のなかの一つに、この『現代の経営』がある。私は、この『現代の経営』(P.F.ドラッカー)こそが一番読むべきだと思うし、訳者の上田さんもそういっている。
世界のベストセラーたる1冊をなめては行けないと思った。もっと、早く読んでおけば良かったのである。