書評:『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版』(マーシャル・B・ローゼンバーグ, 安納献, 小川敏子)
2019年初めて読んだ本にして最高の本(笑)。マイクロソフトCEOナデラさん(尊敬してます)が、ギスギスする幹部のやりとりにまず「これ読め」と言って、読ませたと言う本だそうです。すごくよかったです。
NVCとは、Non Violent Communicationで、「非暴力的な意思疎通」と訳せます。逆に言うと、我々は、気づかぬ間に暴力的な言葉の使い方をしていると著者は暗に言っているわけです。
人が人に接するときに、先入観や思い込みが先立つと人と人は通じ合うことができずに、敵対心が生まれます。そうではなくて、人と人がスムーズに意思疎通をして、紛争をさけ、自分の要求を相手に通すための技がこのNVCであると言えるでしょう。
まずは、事実だけの観察を述べ(ここに一切の評価を抜く)、その観察に対する自分の感情を述べ、自分のニーズを述べて、自分の要求を伝える。この4段階で話すと良いと言うのが、この本の主張です。
本を読み進めていくと、なるほど、これは有効でありそうだと思うわけです。
子育ての中で緊張し、ギスギスした夫婦関係や、反抗期に入ったと親が主張する時期における親子関係などで私は使えるのではないかと思います。私自身は、子供とは良い関係を保っているのですが(私的には、1-7歳の男の子までに反抗期はありません)、妻と子供の間では、子供に反抗期があります。自分をさておいて妻の話をするのはあれですが、よく観察してみると、なんとまあ、妻が暴力的なコミュニケーションをしていること。これでは、妻の子供に対する要求もよく通らないのも当たり前だと思うものです。
一方、7歳の子供の方はと言うと、「これこれこう言うことがあって自分は悲しい。だから、喧嘩はやめてくれ。」とちゃんとNVCを実践している。これは、幼稚園や小学校の先生方が素晴らしいのかもしれないですが、親としては見習うべきところがあるなと思うわけでした。
また、企業における部下へのメンター作業においては、どうしてもフィードバックなどで評価が先行しがちですが、世代の異なる部下との人間関係を作っていったり、同僚・上司との信頼関係を作っていく上で、NVCと言うのは役に立つと思うし、まだまだできていないと思うので、2019年はこれを実践していきたいなと思ったわけです。
ちょっとこの本は送りたい先があるので、送ろうと思うし、人に自信を持って人にお勧めできる一冊でした。