323工房の3Dプリンター・レーザーカッター遍歴1(2020年~2022年頃の機種達)
323工房は3Dプリンターを主力にレーザーカッターも併用してモノづくりをしているユニットです。
ここではせっかくなので、各使用機種の変転と、その簡単な感想を書いていこうと思います。
1つ1つの機種のレビューはあったのですが、まとめては書いていないなと思ってこの記事は書いてみました。随時追加更新していこうかと思っております。
Nova3D Elfin
2020年4月30日に購入している323工房の記念すべき3Dプリンター第一号です。
現在は取扱いが停止しています。
当時3万前後という破格の安さで3Dプリンターが一般普及を目指していた時期という事で思い切って買ってみました。
FDMと散々悩みましたが、最終的にその造形の滑らかさを取って購入。
届いた日は大興奮で、あれこれ上手くいかないこともありましたが、早々に崩れながらも3Dモデルを印刷してくれたことで活動の目途が立ちました。
今考えてみると
・筐体の剛性が足りない
・タンククリーンがない
・現在のようなモノスクリーンではないため、頻繁にスクリーンの張替が必要
といった問題もあったのですが、値段と初心者向けエントリーモデルとしては十分以上の性能を持ち、初期323工房の活動を支えてくれた大変に有能な機械でした。
今は普通なのですが、当時はレベリング要らずの筐体も少なかったので、その点では優しかったというのもあると思います。
また、Nova3D社製の特徴として、FEPフィルム交換がモジュール式というものがあります。お値段はちょっと張りますが、ネジ交換と調整が簡単というのは忙しい時期には大変ありがたい仕様です。
残念ながら筐体の剛性不足とこちらの扱いの不足が重なり、筐体にヒビが入ったことで以後安定した印刷をすることができず、1年弱で処分することになりました。
Nova3D Bene4 mono
多少お値段は数万ほど高いものの、やはり筐体の剛性は必要として導入した同メーカーの2代目。Elfin購入の半年後くらいに購入しています。
2024年9月時点でプラットフォームのネジ穴が潰れてしまったものの、印刷そのものは問題なく行えているため、小さなパーツを印刷するサブ機としてまだ活用している光造形3Dプリンターとしてはかなり強力な耐久性を誇ります。
・タンククリーンがない
という問題は相変わらずあるものの、1枚薄い全面印刷を行うことで同じような活用ができるため、実質ほとんど現在の機種と変わらない性能を誇ると思っております。
またこの機種の途中からモノスクリーンが導入されることで、購入した2020年末ごろから現在に至るまで一切スクリーンを交換することなく使えるようになるという画期的な進歩がありました。
Elfinの場合は2-30回を毎月印刷して、2~3カ月に一回はスクリーンを変えていたので、これは大きな進歩だと思います。
とにかく、初期の導入がNova3D社さんだったのはかなり今振り返ってもよかったと思っているのは、この長く使えるという点だったと思っています。
Elfin同様にモジュール式のフィルム交換がそのまま使えたのと、各種使用はほとんどそのままだったので、混乱もなくずっと安定して仕えている本当に良い機種だと思います。
Elegoo Saturn2
大型3Dプリンターというジャンルが台頭してきたころ、老舗かつ日本人のユーザーも多いということで思い切ってNova 3D社以外のメーカーとしてElegoo社の製品を購入しました。
正直、この機種にはあまり良い思い出がなく、私が扱いに慣れていなかったこともあり、かなりの故障が頻発したのと、安定した印刷は結局最後まで達成できなかったということがあります。
他メーカーを昔から使っている人達は何を言うかという感じと思いますが、まず、FEPフィルムの張替がモジュールでないことによる手間の多さ、さらにそのフィルムの張りを安定させるためを若干浮かさないといけないという仕様に戸惑いました。
また、そもそも大型のプリンターは全体のバランスを取るのが難しく、失敗作を連発し、また不注意でレジンを筐体の奥まで零してしまったので基盤の損傷、交換したものの上手く動かないというコンボの末、泣く泣く処分することになりました。
Nova 3D社製プリンターは短くても1年~2年は使い続けている中、Elegoo社製の3Dプリンターはどうにも当工房と相性が良くないのか短命に終わることが多く、もうちょっと知識があればよかったのかもしれないですが、本業とは別に行っている3Dプリンター活動では限界もあり、Elegoo社のプリンターに手を出すのはちょっと躊躇気味です。
Elegoo社のユーザーは大変に多いのでコミュニティを通して使って行けば恐らくは問題ないと思いますので、あくまでご参考程度に見ていただければと思います。
Nova 3D Bene5
本記事のトリはNova 3D社の bene 5になります。
Bene4の生産量では限界を感じて半年後にちょうど登場したため購入した機種になります。
本機種に関しては専用のレビューも以前書いているのでこちらをご覧になった方がより詳しいことが分かるでしょう。
2024年9月現在も現役でバリバリ稼働している大変に優秀な機種でして、この機種でようやくタンククリーンが標準装備となりました。
しかし、Bene4までと違って内臓のストレージを持たないため、直接USBから読み込む方式となります。
そのため振動でUSBの接触が切れると印刷が途中で止まってしまうというトラブルが何度かありました。
解決として、短いUSBを使うという方法で現在は運用しています。
モジュール式FEPフィルムもBene4までと同様で扱いやすく、導入直後からすぐに印刷できる優れものですが、時々Nova3D社の3Dプリンターは購入直後のレールにグリスが固まってプラットフォームの上下の動きが悪いと言いますか酷いと止まってしまう問題があるのですが、基本的にレールやモーター付近にエタノール等を入れて固まったグリスを除去後入れ替えることで問題なく動くことが多いです。
2020年~2022年頃までは323工房は概ね2~3台体制ということで生産を回していました。
大型機種に手を出してみたものの失敗、そして、3Dプリンターだけでは限界を感じ始め、各イベントでレーザーカッターを見たことで検討し始めるのですが…これはまた後程別の記事で続きを書いていきたいと思います。
【お知らせ】
東京都中央区八重洲の画廊にて2024年10月4日~10月8日まで展示会をやっています。
タイミングの合う方はぜひお越しくださいませ。
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