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【 #ティアマトの11の怪物 】ムシュフシュ:蠍尾の炎竜【5】
ムシュフシュは恐らく今回取り上げる怪物たちの中ではティアマトに次いでそこそこ創作に使われているのではないかと思われます。
ムシュマッヘやウシュムガル、ギルタブリルは知らなくても、ムシュフシュはなんとなく聞いたことがある、という人はファンタジー作品に多くふれている場合はありえるのではないでしょうか?
しかし、どんな姿の怪物か?と言われると途端に自信がなくなります。
ティアマトはまだ蛇や女性というイメージがなんとなくでもついてくるのですが、ムシュフシュってそもそもなに?という。
この混乱は各創作作品でも顕著に見られていて、なんとなく蛇やライオンベースでありながら、頭の形、羽、爪、尾のデザインが全部違います。
それじゃ全部違うじゃんというか、実際これは現代に始まったわけではなく、古代オリエントの神話の時点で始まっています。
なので、今回せっかくなのでムシュフシュの姿と歴史をはっきりさせましょう。
元々ムシュフシュは蛇の怪物であり、また蛇の王でありました。そして、バシュムの項でも少し出てきた英雄Tispakに退治される蛇でありました。恐らくはバシュムとムシュフシュも基本ベースが蛇であるため、同一視が起こったと思われます。
しかし、バシュムや他の蛇の怪物達と違いムシュフシュは「ニヌルタの帰還」に取り入れられる際にニヌルタ神に仕える蛇もしくは竜として迎え入れられることになります。
この蛇の王であり、神に仕えるという立場を与えられたことは図表的にも影響が現れます。古代オリエントにおいて王の象徴は獅子であるため、ムシュフシュにも獅子の顔次いで体が与えられたようです。そして、ティアマト神の格を上げるためにムシュフシュにも角や爪や尾が強化されていった、という具合だそうです。
このムシュフシュはニヌルタ神に仕えているというポジションがさらに話をややこしくします。
単に他の蛇系怪物達より人気があったというだけでなく、この神に仕えたという話はそうそうに変更できなかったようで、ティアマト神と戦い最終的に滅ぼしたマルドゥク神に今度は仕えることになり、様々な図表でマルドゥク神の傍にムシュフシュは描かれることになります。
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