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【シナリオ】「日程」

〈人物〉
木戸宏(48)会社員
木戸ゆり子(42)木戸の妻

◯木戸家・キッチン
   コンロの鍋の前で、木戸ゆり(42)が『IPパスポート・完全攻略問題集』と書かれた本を開いて読んでいる。玄関の扉が開く音。
木戸の声「ただいまぁ。ゆり、引越日決まったぞぉ」

◯木戸家・ダイニング
   スーツ姿の木戸宏(48)とゆりが入ってくる。
   木戸、ネクタイを緩めながら
木戸「3月29日な。ゆり、準備頼むな」
ゆり「ちょっと待ってよ、宏さん、
  ゴールデンウィーク前だって行ってたじゃない…」
   ゆり、口に手を当てる。
木戸「年度末までに引っ越したい、て人が多いんだと。
 内装業者が悲鳴あげてるな」
   木戸、食卓からペンを取り、壁のカレンダーを捲る。
   3月29日の欄に「ゆり 試験日」と書いてある。
木戸「あれ、お前、試験だったのか?」
ゆり「昨日も言ったじゃない!」
木戸「聞いたか? まぁ資格なんていつでも取れるだろ」
   木戸、同じ欄に「新居引越」と大きく書く。
ゆり子「ちょっと!」
   ゆり子、木戸の手からペンを奪い取る。

去年の冬に、「身辺雑記」というお題で書いたシナリオです。
去年の冬、ぜんざい公社との復職交渉を巡り、たまったフラストレーションを資格の勉強にぶつけていた頃。相方に「勉強禁止令」を出されました。
相方は、”資格の勉強にのめり込むほど復帰が遠のくのでは”と心配していたようです。また、夏に転宅を控えていたので、”引越の準備を一緒に始めて欲しい”と思っていたのでしょう。
けれど、ブラック馬車馬期に全く勉強の時間を捻出できなかった反動でしょうか、私は春まで計画をみっちり立ててしまっていて、とても勉強をやめる気にはなれなかったのです。
その時の小競り合いの記憶が、こんな形で残っていました(^-^;)
結局、その時取りたかった資格を全て取り、結果的にそれが復職に役立ったので、今では笑い話なのですが。。。家庭内での時間の使い方の摺り合わせ、て大切だなぁと思った出来事でした。

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PD * みふみ
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