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ぼくらの緊急事態

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コロナ出現、緊急事態宣言からの日々のこと、あれこれ。
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#短歌

【歌】何もかもこの両手から手放してのっぺらぼうになりたき夕べ

【歌】何もかもこの両手から手放してのっぺらぼうになりたき夕べ

何もかもこの両手から手放して
のっぺらぼうになりたき夕べ                          〈未芙美〉

初出= 『みふみのトーキョー 彩・時・記』@『ココログ』(2005/6/21)

周回遅れの日記が中断。
その間に3度目のワクチン接種を受け、4日間ほど「非正常」な体調を彷徨っておりました。
そして通常営業に戻ろうとした矢先に職場で「青天の霹靂」な事態勃発。

今、学生時代に詠

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【歌】時を経て… 〜或る二度惚れの記〜

【歌】時を経て… 〜或る二度惚れの記〜

ときをへて
きよらましますくわんおんの
かくれがにこそまよいいりつれ   

◇・・*・◇・*・・◇

一目惚れの相手に再会した。

再会の場は、東京国立博物館。
会期終了間際の「聖林寺十一面観音〜三輪山信仰のみほとけ」展に駆け込んだのだ。

◇・・*・◇・*・・◇

さて、ここにひとつの黒歴史を告白する。
冒頭の一首は、その昔、私が初めて人目に晒すことになった歌。
…実は、ほぼ初めて詠んだ歌だっ

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【3.11の歌】電話越し まだ見ぬ人の労りにやまとのくにの力信ずる

【3.11の歌】電話越し まだ見ぬ人の労りにやまとのくにの力信ずる

電話越し
まだ見ぬ人の労りに
やまとのくにの力信ずる   〈未芙美〉

初出=『みふみのトーキョー 彩・時・記』@『ココログ』(2011/3/15)

今日の午後、黙祷をしていて思い出したこと。。。
                      
10年前、イベントホールに勤務していた私の仕事のひとつに、お客様の電話を受けるコールセンター業務がありました。

地震の翌日も、いつものように、いえ、いつ

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【Valentine短歌】適量の愛を適度な包装でそっと置きたい君の掌

【Valentine短歌】適量の愛を適度な包装でそっと置きたい君の掌

適量の愛を適度な包装で
そっと置きたい君の掌   〈未芙美〉

1日遅れてしまいましたが、Valentine短歌です。
コロナと緊急事態宣言で、「本当に差し上げたい方にすらチョコを渡せない(相方は除く)」という、チョコ至上主義者にとっては正に緊急事態な今年のバレンタイン。

それでも当日は趣味の仲間とオンラインでお茶会をしたり、夜に敬愛する方からLINEをいただいたり。
恵まれた時間を過ごすことが

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あられもなく言葉にできたなら 〜肝心なことは、言葉にできない〜

あられもなく言葉にできたなら 〜肝心なことは、言葉にできない〜

「統括部レベルアップ会議」の教育動画撮影に向けてピリピリしていた間に。
シナリオ課題の添削が戻って来た。

現在、課題の大テーマは、小道具の活用。
落語のサゲや、短歌の掛詞・枕詞のような、重層的な意味を持つ小道具をスパイスにしたドラマを描けたら…と夢見ている。
小道具に、因縁やら登場人物の想いやらを上手く重ねて書けた時は、自分の満足度も先生の評価もまずまずなのだが、しっくり来ないまま書き出すと、ロ

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【秋の歌】ただ傍にいたい 愛ではないけれど 逢いたい 胸の石榴が熟れる

【秋の歌】ただ傍にいたい 愛ではないけれど 逢いたい 胸の石榴が熟れる

ただ傍にいたい 愛ではないけれど 逢いたい胸の石榴が熟れる           〈未芙美〉

慌ただしく過ごしていたら、立秋の句を作ることもなく、いつのまにか、暦が秋に。
なのに暑さは増すばかりですね…(二重の意味で汗;)。

さて。
凪良ゆう氏の本を初めて読みました。『流浪の月』。
ネタバレなしで感想を書きたい、と思ったら、こんな風になりました。

本屋大賞受賞のニュースを耳にするようになってか

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【夏の歌】四萬六千日に願えり 我よりも一日ながき君の命を

【夏の歌】四萬六千日に願えり 我よりも一日ながき君の命を

四萬六千日に願えり
我よりも一日ながき君の命を 〈未芙美〉

初出= 『みふみのトーキョー 彩・時・記』@『ココログ』(2008/7/10)

コロナの影響で、中止・延期が相次ぐ世の中。
本来なら、今日は浅草寺のほおずき市だったはずですね。。。

四萬六千日分の功徳って、計算すると約126年分…人の一生を軽くこえてますよね(まぁ、ウチの相方は、“130まで生きる”と豪語しておりますが)。
そこま

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【手帳短歌】指でなぞる手帳の伝言 切り換わったレールの上の今日にいる吾

【手帳短歌】指でなぞる手帳の伝言 切り換わったレールの上の今日にいる吾

指でなぞる手帳の伝言
切り換わったレールの上の今日にいる吾  〈未芙美〉

…本当なら、今日、暮れに決意した資格試験を受験するはずだったのです。

普通に出社して仕事をこなし、ふと手帳をめくった際に、消し忘れた試験時間のメモを見つけました。

半年前は、こんな世界になってるなんて思ってもみなかった。
3月初旬頃も、まだ、予定通りの夏が来るのだと思っていました。

復職とコロナを機に、私の時間も、興

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久々に仙人先生の顎関節症診療を受診。
帰途、営業再開した書店へ。立ち読み規制はあるけど、開いてくれるだけでもありがたい。「ちはやふる」最新刊を入手、クイーン戦の始まった前巻から読み返す。
夜は相方と「ノーサイド・ゲーム」の録画を。何度観ても心震える。どんだけスポ根志向なんだ、私。

【携帯短歌】携帯の奏でし曲は "Crazy for you"君に向かって翔び立つ心

【携帯短歌】携帯の奏でし曲は "Crazy for you"君に向かって翔び立つ心

携帯の奏でし曲は"Crazy for you"
君に向かって翔び立つ心     〈未芙美〉

初出= 『みふみのトーキョー 彩・時・記』@『ココログ』(2010/5/1)

これは、10年前に目にした光景。
いわゆる“相手によって着メロが違う”というヤツ。
私が耳にした着メロは1種類でしたが、そのメロディと電話の相手が one & only だということは、その瞬間の彼女の表情で一目瞭然。。。

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【立夏の歌】夏来る 心の船に帆を上げていざ漕ぎ出さむ 夢の海原

【立夏の歌】夏来る 心の船に帆を上げていざ漕ぎ出さむ 夢の海原

夏来る
心の船に帆を上げていざ漕ぎ出さむ
夢の海原            〈未芙美〉

立夏の句でも…と思っていたのですが、こんな歌になりました。
イメージは、私の読書人生を開いた物語、S.C.ルイスの『ナルニア国物語』シリーズに登場する、もの言うネズミ・リーピチープです。

『ナルニア国物語』については、いつかどこかでゆっくりとお話したいと思います。。。

子供の日の今日。立夏の今日。
幼い頃か

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【希望の歌】「何もできぬ」などとは言わぬ 来る朝を今信じてる、今祈ってる

【希望の歌】「何もできぬ」などとは言わぬ 来る朝を今信じてる、今祈ってる

「何もできぬ」などとは言わぬ
来る朝を今信じてる、今祈ってる  〈未芙美〉

                       

初出= 『みふみのトーキョー 彩・時・記』@『ココログ』(2010/6/6)

緊急事態宣言を受け、3月、4月と中止・延期・お休みになったものだらけの日々。
その中で、私が再開を待ち望んでいるもののひとつに、10年続いている友人達との街歩きがあります。

これは、活動を始

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