場面緘黙症になったきっかけ

私は幼稚園から中学3年生まで、場面緘黙症でした。医者に診てもらったわけではないので正確には異なるのかもしれませんが、自分では緘黙症だったという認識です。

現在は30歳で会社員として働いています。今まで緘黙症だった過去を誰かに話したことはないのですが、今年30歳になったのを機に緘黙症だった経験を綴ることによって少しでも誰かの役に立てたらと思い、書くことにしました。


緘黙症になったきっかけ

大人になった今でも鮮明に覚えているのですが、それは幼稚園の初日でした。私は母親と一緒に家の近くで通園バスが迎えにくるのを待っていました。そこには私以外の園児と母親も何組か集まっていました。

しばらくするとバスが到着し、他の園児たちは母親に見送られ、次々と乗り込んでいきます。そして私の番が来ました。でも私は母親から離れるのが嫌でバスに乗り込まず母親の足にしがみつきました。しかし母親は嫌がる私を強引に引き剥がし、迎えにきた先生に差し出しました(言い方悪いですが当時の自分にはそう見えました(笑))。
バスに連れ込もうとする先生。私は大泣き。不思議そうに見つめる他の園児たち。私はバスのドア付近にあった手すりにしがみつき、なんとか連れ込まれないように抵抗するも園児の力で大人に勝てるはずもなく、そのままバスの中へ。無情にもドアは閉まり発車。
生まれて初めて母親との別れ。徐々に遠ざかっていく母親の姿を見て「私がこんなに嫌がっているのにお母さんは助けてくれないんだ…」と失望したのを覚えています。

園に向かう道中、他の園児たちが話しかけてくれましたが私はショックで無言。そして、その出来事をきっかけに緘黙症を発症。それから話し出すタイミングが見つからず、中学3年生になるまで症状は続きました。


発症するきっかけとなった大きな出来事だったので、大人になった今でも当時の情景や心情を鮮明に覚えています。助けてくれない母親と無理やりバスに乗せようとした先生をしばらく恨んだ記憶が…(笑)
幼稚園児だったら母親と離れるのはみんな嫌だと思うんですが、他の園児たちはすんなりと乗り込んでいたから、そう思っていたのは私だけ?
当時の自分はとにかくショックでわんわん泣きじゃくり、とても話せる状態じゃなかった。加えて人見知りもあって隣に座った子に話しかけられても無言。先生に話しかけられても無言。結果、場面緘黙症に。
その日から中学3年生になるまで続くとは当の本人も思ってもみなかったわけですが。

次回は緘黙症が治ったきっかけについて綴ろうと思います。

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