2022年2月5日 一番かわいいあかちゃん

妻の日記より

出産1日目

朝まで痛みでろくに眠れなかった。夜中に何度も点滴の交換があって、その度に痛いです、痛いですと訴えるが、次は○時に痛み止めの点滴ですよ、と返されて終わった。点滴の時間が待ち遠しくてたまらなかったし、一度やってもらったあの筋肉注射が恋しかった。

なんとか朝を迎え、足のマッサージ器具が外される。まだカテーテルも点滴もついたままだが、それが外れただけでもかなりスッキリした。

採血で貧血に引っかかり、鉄剤を出される。痛み止めも貰って飲んだが、効きが遅い。痛くて何も考えられず、ボーッと過ごす。

しばらくして、ようやく痛み止めが効いてくると少し前向きな気持ちになり、朝食に備えて体を起こそうと試みた。でも、うまくいかない。腹筋を使うような動きは全くできない。諦めてまた寝た。

8:00になり、朝食の登場。起き上がれないので、とりあえず電動ベッドの頭を起こしてみる。でも、ベッドの曲がる部分に腰がきていないので、首だけ持ち上がった変な姿勢。そこから動けない。テーブルの上の全貌が見えないから、食器を一つ一つ手にとって中身を確かめた。

お粥と聞いていたので、いかにもドロドロの病人食みたいなのを想像していたが、焼き魚やフルーツもついていて、普通の食事だった。丸一日ぶりの食事はとても美味しく、お粥サイコーって思った。変な姿勢で食べたので、腰は痛くなった。

その後、介助してもらいながら、なんとかベッドから起き上がる。内からも外からも、とにかくお腹が痛い。点滴のポールを支えに立ち上がろうとするが、痛くて体を起こせない。人間、たった一日でここまで歩けなくなるものなんだな。ポールを持ったまま、必死に廊下を歩く。

数メートル歩いた所に、新生児室があった。ガラスの向こうに、すやすやと眠る赤ちゃん達。お世辞抜きで、その中で一番可愛い赤ちゃんがうちの子だった。

こんなに可愛い生き物を、体内で作ったというのか。不思議で仕方がない。昨日までは保育器に入っていて、今日にはベッドで過ごせるようになったらしい。ミルクもよく飲んで、よく眠る、元気な子だという。

その後部屋で少し抱っこさせてもらう。初めての抱っこだ。手のひらに収まるくらい小さい頭、ふわふわの毛。

小さな手には、さらに小さな小さな爪が5枚。私の下手くそな抱っこでは泣き出してしまうかもと思ったが、ちょうどお腹いっぱいミルクをもらった後らしく、少しモニョモニョ動いたけれど、後は静かに眠っていた。

おおらかそうな子で安心した。再び新生児室に戻っていくのを、名残惜しく見た。まだ、プロの手による管理が必要な状態なのだ。

夜、点滴ポールと電動ベッドのリモコンを駆使し、なんとか自力で起き上がれるようになった。だって、明日も赤ちゃんを見に行かなくちゃいけないから。赤ちゃんを抱っこしてから、なんだか元気が出たような気がする。

点滴とカテーテルも取れたので、お手洗いにも行った。個室なので、部屋にお手洗いがあるのはとても有り難い。歩く距離が少なくて済む。ベッドから起き上がるのに15分くらいかかるので、ウワー漏れそう!急げ急げ!みたいなのは絶対に無理だから、行きたくなくてもこまめに行ったほうが良いなと思った。

昨日は絶食だったけれど、今日は普通に食事ができた。嬉しい。でも、15時におやつ、18時に夕飯ってのは頻回&少し早すぎないか。結局、22:00ごろ空腹になってしまい、持参したクリーム玄米ブランを食べた。

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斎藤充博
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