20枚シナリオ『ターニングポイント』
シナリオセンター。
20枚シナリオ、ペラ20枚(200字詰め原稿用紙20枚)
課題:魅力ある女性
あらすじ
あらすじ 憧れのファッションデザイン会社に就職できた石井沙希。ある日、学生時代から目標にしていた海外デザイナーと仕事ができるチャンスが巡ってくる。 喜んだ沙希は、すぐに彼氏に相談したが返ってきた返答は思いもよろらないものだった。 仕事か恋か、悩んだ彼女は占い館を訪ねることに・・・
登場人物
石井沙希(24)会社員
藤井涼(24)沙希の恋人
杉原真里(35)紗希の上司
案内人
占い師
シナリオ
○デザイン会社・オフィス内(朝)
まばらに人がいる。
石井沙希(24)は自分のデスクに付くとノートパソコンを開いてカタカタとキーボードを打っている。
杉原真里(35)が小走りで沙希に近づく。
真里「沙希ちゃんちょっと」
沙希「え?」
真里「ちょっときてほしいの」
沙希「あの、この後はミーティングがあって」
真里「そっちは遠藤さんに入って貰ったから大丈夫よ」
沙希「え、はあ。なら」
真里は足早に歩き出す。
沙希は席を立つと真里の後に続く。
○デザイン会社・会議室内
真里は部屋に入ると椅子に座らずに中腰でパソコンを広げて、カタカタと操作する。
沙希は扉を閉めて、真里の向かいの席に座る。
真里「今、個別で送ったの見てくれる?」
咲希「はい」
沙希はコミュニケーションツールを開いて送られたファイルをクリックする。
咲希「これって」
真里「そう、今度やることになったファッションショーの話なの」
咲希「パリのですよね?」
真里は椅子に座る。
真里「そう。うちのチームはもう向こうで働いてるのは知ってるわよね?」
咲希「はい」
真里「実は向こうで色々あったらしくて、増員をお願いされたの」
沙希はパッと顔を上げる。
沙希「え!本当ですか?」
真里「私は嫌じゃなければ、沙希ちゃんを推薦しようと思ってるの」
沙希「え!ぜひ行きたいです」
真里「ふふ、言うと思った。前のワンオーワンでも言ってたわね」
沙希は体を揺らす。
沙希「こんなチャンス逃せませんよ」
真里「じゃあ、明日からリモートで参加できるところには入って貰うと思うわ。本格的にチームに参加するってなると海外赴任も考え貰わないといけないし」
沙希はぴたりと止まる。
沙希「海外赴任ってどのくらいですかね」
真里「うーんそうね。3年とか5年くらいかしら。長い人はずっと向こうに居るわね」
真里はパソコン閉じる。
真里「今日は通常通りでよろしく。返事次第だけど明日から忙しくなるから頑張ってね」
沙希「はい」
真里は会議室を出ていく。
咲希は立ち上がったまま動かない。
沙希「海外かあ」
○デザイン会社・休憩室(夜)
沙希はコーヒーを片手に持ち、人気のないエリアに移動する。
ポケットからスマホを取り出すと電話をかける。
沙希「もしもし?今、大丈夫?」
沙希はその場をうろうろする。
沙希「よかった〜。あのさ聞いてよ。実は憧れのデザイナーさんと仕事が出来るようになったの!」
沙希はその場をうろうろする。
沙希「そうそう!今はリモートでだけど、今後は海外に行って現地で仕事したりもあるかもで〜」
沙希はコーヒーを一口飲む。
沙希「え?どうしたの?」
沙希は立ち止まる。
沙希「え?別にいいけど。じゃあ週末にどこか予約しようか?うんうん。わかった。じゃあね」
沙希はスマホを耳から離す。
沙希「どうしたんだろ?」
○居酒屋・個室(夜)
藤井涼(24)は頭をテーブルにつけるように下げる。
咲希はポカンと口を開けて、おしぼりを落とす。
藤井「ごめん」
沙希「え」
藤井「沙希ちゃんが嫌いとかじゃないんだ。でももし沙希ちゃんが海外に行くことになったら別れてほしい」
沙希「え、ちょっと、ちょっと待ってよ」
沙希はおしぼりを端に寄せる。
ごほんと咳をして、胸を撫でる。
沙希「なんで?」
藤井「うちが農園なのは知ってるよね」
沙希「うん」
藤井「実はこの前、父さんが腰やっちゃって」
沙希「え!」
藤井「気にしなくていいとは言われたけど、もしものことがあったら実家に帰って、手伝おうと思ってるんだ」
沙希「うん」
藤井「その時には沙希ちゃんにも来てほしいって考えてたんだけど」
藤井は顔を上げて沙希を見る。
藤井「海外ってなるとさ」
沙希「まあ、うん。無理だね」
藤井「だからさ、もしそうなったら一度別れよう」
沙希「一度?」
藤井「もし、沙希ちゃんが日本に帰ってきても俺のこと好きだったら。会いに来てよ」
藤井は沙希の手を握る。
藤井「その時は結婚しよう」
沙希「え、で、でも。もし他の人と付き合うことになったらどうするの?」
藤井「その時は諦めよう」
沙希「ええ、そんな」
沙希はがくりと肩を落とす。
○デザイン会社・オフィス内(朝)
まばらに人がいる。
沙希は自分のデスクに付くとノートパソコンを開いてカタカタとキーボードを打っている。
真里が沙希に近づき、肩を叩く。
真里「どう?」
沙希「あ、お疲れ様です」
真里は紗希の隣の椅子に腰をおろす。
真里「海外の件って決めた?」
沙希「あー」
沙希は手を握ったり、開いたりしている。
真里「まあ、急に見知らぬ土地に住むのは大変よね。今日は向こうに住んでる一ノ瀬さんが時間あるって言うし、話聞いてみる?」
沙希「あ、ぜひ!」
真里「じゃあ、組んどくね」
真里は沙希を見る。
真里「そんなに気を張らなくて大丈夫。会わなかったら、すぐに相談して貰えれば戻ってこれるから」
沙希「はい、ありがとうございます」
○デザイン会社・休憩室
沙希はコーヒーを片手に持ち、人気のないエリアに移動する。
空いている椅子に腰掛けコーヒーを飲む。
沙希「はあ」
咲希はポケットからスマホを取り出すと画面を見る。
画面にはラインの通知が何件かきている。
沙希「どうしよ」
○繁華街・外・駅近(夜)
キャッチの男や酔っ払いがいる。
沙希はぶつからないように人を避けながらヒールを鳴らすように歩く。
ビルの前に立ち止まる。
色々な店の看板があり、その中に『占いの館24時間』と書かれている看板がある。
沙希は看板をじっと見つめると狭い階段を登り始める。
○占いの館24時間・店内(夜)
店内は薄暗い照明が並んでいる。
個室への入り口は布で覆われている。
店内に入ってすぐにカウンターがある。
案内人「いらっしゃいませ」
沙希は案内人の方へ顔を向ける。
沙希「すみません。先程電話した石井です」
案内人「石井様ですね。こちらへどうぞ」
案内人はカウンター横にある扉から
出てきて、個室の前まで歩き出す。
沙希は後を追う。
案内人「ではご予約の1回2500円のお試しタロットで間違いないですね?」
沙希「はい」
案内人「では、こちらへ」
○占いの館24時間・個室(夜)
室内には大きなテーブルが置いてある。
中央にはタロットカードが置いてあり、照明には占い師が座っている。
占い師「どうぞ、おかけください」
沙希「あ、はい」
沙希はあちこち、ぶつけながら座る。
占い師「では何について占いますか?」
沙希「えっと、どっちにしたらいいかを決めたくて」
To be continued…
感想
シナリオ作家養成講座の課題の1つです。
女性と占い要素を入れようと設定を考えたものです。
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