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魔法使いとシンプルの杖

人間誰しも、一度は魔法使いに憧れる時期がある。
魔法使いが登場する絵本や小説、TVアニメ、映画に、子供だけでなく大人までがいまだに夢中になったりする。

魔法を使う方法にはいろいろあって、呪文を唱えたり、魔法陣を描いたり、杖を振ったり。鏡などの特定のアイテムを使うこともある。
そうして、普通の人間には出来ないこと、思いもしないようなことを瞬時にやってしまうところに人は驚きを持って惹かれてしまうわけだ。

古の魔法使いは、カボチャを馬車に変えたり、お姫様を永遠の眠りにつかせたりしたが、現代の魔法は、声や映像を瞬時に地球の裏側に届けたり、受け取れるようにしたりする。
ほんの数十年前には考えられなかったようなことが現代の魔法使いによって「アイテム」として実現して、普通の人間が使えるようになった。

スマホやiPhoneといった携帯型通信装置は、いまや生活になくてはならない魔法のアイテムだ。
そんなiPhoneの生みの親であるスティーブ・ジョブズは、Appleの中で、常に「Simple:シンプル」という哲学のもとに動いていたそうだ。

新しい製品を生み出すとき。
製品を世の中に披露するとき。

頭を悩ます社内外の人間に対して、いつもスティーブは「シンプルの杖」をふるっていたそうだ。


「シンプルであることは、複雑であることよりも難しいときがある。物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明確にしなければならないからだ。だが、それだけの価値はある。なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ」(スティーブ・ジョブズ)


スティーブの言葉によれば、「シンプル」と「明確な思考」には密接な関係があるらしい。


そこでふと、思ったことがある。
ミニマリストやシンプリストは、これをモノや空間で実践しているのではないか?

極力モノを減らしたり、使い勝手の良いように整理したり、空間を「シンプル」にしながら、そこで自分の本当に望んでいることを「明確な思考」にしていく。

ミニマリストやシンプリストたちは、すでに「シンプルの杖」をふるって、自分の人生に魔法をかけているのかもしれない。




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