空気入れの物理
寒い朝,自転車に空気をいれる。空気を入れ終わってタイヤを触わってみると
「あれ?ほんのりあたたかい」
ということに気づく。バーナーで炙ったわけでもないのになぜ。ここには,物理が隠れている。
熱力学第一法則
⊿U=Q+W
という法則がある。左辺の⊿Uはタイヤ内の空気の内部エネルギーをあらわす。ざっくり言うと温度の変化分だ。右辺のQはタイヤ内の空気に加えられた熱で,Wはタイヤ内の空気が受けた仕事である。ここでいう仕事とは圧縮のことである。空気の粒はビュンビュンとびまわっており,ピストンで押されることでそのスピードはどんどん速くなる。温度は空気のスピードを数値化したものである。
この法則を日本語に翻訳すると
「空気はあたためられたり、圧縮されると、温度が上がる」ということだ。
空気入れのピストンを押すと,タイヤの中の空気が圧縮され,空気の粒のスピードが大きくなる。
触るとほんのりあたたかいのは空気の「圧縮」が原因だった。
読んでいただきありがとうございます!いただいたサポートで、学級文庫の本を買ったり、実験食材を買います。