ざっくり理解!!ノーベル物理学賞(2019)
2019年10月8日に3名がノーベル物理学賞を受賞しました。
今回はスイスのミシェル・マイヨールさんとディディエ・ケローさんの研究を書いていきます。
1.受賞理由
2人の受賞理由は
太陽系の外にも、星を中心にまわる惑星があることを実験で確認したから
です。太陽系というのは、太陽と太陽のまわりをまわる水星、金星、地球、火星、木星、土星・・・などのまとまりのことをいいます。
広大な宇宙には太陽と似ている星があり、地球と同じようにまわっている惑星がほんとうにあったことがわかりました。
これはつまり・・・
「第2の地球があるんじゃない?」ということに現実味がでてきたことを意味します。
2.観測方法
惑星があることをどうやってしらべたのでしょうか?
惑星はそもそも自分から光をださないので、見ることができません。
そこで!見ることのできる星を観測することで、間接的に惑星があることを探索しました。(賢い・・・)
太陽のような星(主星:白)と、まわりをまわっている星(惑星:グレー)があったとします。主星も惑星も質量をもつもの同士なので、おたがいに重力で引っぱりあっています。太陽に地球が引っぱられるだけでなく、地球も太陽を引っぱっています。
惑星の回転にあわせて、主星はいろんな方向にひっぱられます。
それによって、主星もわずかではありますが、
ゆれうごきます。
この主星の周期的なゆれが計測できれば惑星の存在がわかります。
といっても、地球からはるかかなたにある星の、めちゃくちゃ小さなゆれ。
これをどうやって調べたかというと、
「視線速度法」というドップラー効果をもちいた方法です。
ドップラー効果とは
救急車が近づくときはサイレンの音が高く聞こえ、
救急車が遠ざかるときは低く聞こえる現象のことです。
高い音は波長(山と山の間の長さ)が短く、低い音は波長が長いです。
ざっっっっくり説明すると、救急車が近づいてくると波はギュッと押し縮められ、救急車が遠ざかると波はビロ〜ンと引き伸ばされます。
音と光は波という仲間であるので、光でも同じことがおきます。
光をだす主星が近づいたり、遠ざかったりすると波の長さが変わります。
波の長さは光の色に関係していて、
波長が短いと青っぽく、
波長が長いと赤っぽくなります。
この光の色を観測して、惑星があるということをたしかめました。
3.その他の観測方法
1995年に太陽系外の惑星があるということで、研究は盛んになり、さまざまな方法も生まれました。
トランジット法という方法もあります。
惑星が主星を横ぎるときに、主星の光をさえぎります。
地球から見ると主星がわずかばかり暗くなります。
そのわずかに暗くなることが、周期的に起きていることから惑星の存在を確かめています。面白いですね。
4.現在の観測方法
現在までで、4118個の太陽系外の惑星が見つかっています。
現在では、望遠鏡を宇宙空間に打ちあげ、他の惑星を探っています。
人間の住むことのできる惑星はあるのでしょうか?
楽しみです。
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