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住宅ローンが否決だったら違約になる? 売買契約をキャンセルしたらどうなるの?

住宅ローンで家を買うとき、審査が否決だったらどうなるの!?

売買契約を締結した後にキャンセルすると基本的にペナルティとして違約金が発生します。しかし、住宅ローンの本審査を金融機関へ申し込むには締結済みの売買契約書が必要なことがほとんど。つまり借入ができるか確定する前に売買契約を締結する必要があり、審査結果が否決で借り入れができなかった場合、購入することができない=キャンセルとなりペナルティとなるのか。
結論、契約内容や状況によってはペナルティとなります。
一番大事な確認内容の一つとなりますので、よくご理解の上、売買契約に臨んでください!

そもそも売買契約を締結した後、契約解除のパターンは主に3つあります。

  • 手付解除

  • 違約解除

  • 白紙解除

それぞれ確認していきましょう。

手付解除

売買契約の際、代金の一部として1割〜2割程度の金額を売主様へ支払うことが多いです。これがよく聞く手付金です。
ある一定の期間(手付解除期間)を設定し、その期間内であればこの手付金を放棄してキャンセルすることができます。手付解除期間の設定がない場合は相手がこの契約内容に定められたことに着手するまで(例えば境界確定の手続きを開始したなど)が手付解除期間となります。

違約解除

手付解除期間を超えてキャンセルしたい場合や、契約内容を成就することができない状態になったとき、契約書に定められた違約金の額がペナルティとなります。
手付解除と違約解除によってキャンセルとなる場合、一旦、契約が成立しているので仲介手数料もかかってしまいます。
相手がキャンセルした場合、相手に違約金支払義務がありますが、仲介手数料はこちらも仲介業者へ支払う必要があります。多くの場合は相手から貰う違約金を超えない範囲で請求されるかと思います。ですが、宅建業法上は手数料の上限まで請求することが可能ですので、不動産業者は手数料の上限が違約金以上だったとしても請求することが可能です。

白紙解除

予め契約書で約束した「もしも」が起こった場合や、天災が起きて復旧が不可能などの場合に限り、両者ペナルティなく契約を解除するというのがこの白紙解除です。ローン審査が否決となった場合をこの「もしも」に設定することで冒頭の問題に対し対策することができます。この「ローン否決の場合に白紙とする」という約束のことを「融資特約」や「ローン特約」と呼ぶことが多いです。
白紙解除になった場合、そもそも契約がなかった状態(=白紙)なので仲介手数料はかかりません。

融資特約

先程、融資特約によって否決の場合は白紙にできるように約束するといいました。反対に冒頭では「契約内容や状況によってはペナルティとなる」とも申しました。
融資特約では「融資承認取得期間」を設定し、その期間内に指定した金融機関から承認を得られなければ白紙とする。と約されます。
また、買主は契約締結後は速やかに本審査の申し込みをすることとされますが、なかなか本審査の申し込みをしないなど落ち度がある状況で期間内に承認が得られなかった場合、白紙ではなく違約と解釈されてしまい揉めることになります。
融資特約は「指定した金融機関の回答が対象」ですので、指定外の金融機関の回答によって白紙にすることはできません。
例えば、A銀行を指定銀行としたが、本命がB銀行なのでB銀行のみに審査を依頼。融資承認取得期間ギリギリでB銀行否決。A銀行には申し込みもしてなかった。というようなケースでは違約と取られ白紙解除ではなく違約解除とされかねません。また、AやBといった特定の銀行ではなく「市中金融機関」というようなざっくりとした指定の仕方をしている場合、「市内中の金融機関から否決とならない限り白紙にはできない」と解釈されることもあり、これも違約として話が進んでしまうケースです。


融資特約の内容として、承認期間は十分に設定されているか、もしもの時には誤解なく白紙にできるよう、金融機関は具体的に指定されているか。
住宅ローンを利用される際には、他の契約内容とあわせて融資特約の内容を仲介業者によく確認し「もしも」に備えてください。


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