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チュニジア ラマダン体験

春のバカンスを利用して、北アフリカのチュニジアへひとり旅をしてきた。
4月16日から27日までの12日間滞在した。
そのうち、4月20日まではラマダンだった。(2023年)
観光客は少ないけれど、イスラムの文化も見れる良い旅になったと思う。

ラマダン中の気づき

1、昼間はまじで飲食店がやっていない 

聞いてはいたが、ラマダン中は、ストリートフードも、カフェも、レストランも全部閉まっている。なので、異教徒ツーリストの私は本当に辛かった…。
あまりにお腹が空いたときは、スーパーや市場で、パン、お菓子、アイスを買い、こそこそ食べて空腹をしのいでいた。
食べ物にありつけなかった時は、普通に夜まで何も食べなかった時もあった。とにかく、異教徒でも勝手にゆる断食になってしまう。

2、昼間食べなかったら、夕飯もたくさんは食べられない

現地の人たちは、日中何も食べない代わりに、夕飯を本当にたくさん食べる。レストランのイフタールメニューも、スープ、前菜(これだけで満腹)、メイン、パン、デザートと、とんでもない量。
私はラマダン初めてだし、この食事のサイクルに慣れなかった。
昼間ほとんど食べていないと、夜も胃が縮小してしまい、すぐお腹いっぱいになった。
よくムスリムはラマダン中に太るというが、いきなり慣れていない人がラマダンを体験すると痩せると思う…(笑)

3、ラマダンも人それぞれ

同じムスリムでも、ラマダンに対する考え方は人それぞれ。
現地で仲良くなった、ホテルの受付のお姉さんや高校生の女の子曰く、
特に女性は緩いらしい。
ラマダンの断食をする期間、断食をするかしないかも自分で決めていいらしい。
彼女たちに、
「トイレの手洗い場でこそこそ女性が水飲んでた」って言ったら、
「その人はもう自分の中でラマダンを終えたんだよ!」って教えてくれた。

他にも、チュニスでお世話になっていた女性の方も、断食できるときはするというスタイルだ。
お祈りも、アザーンの鳴る時間に必ずしも皆しているわけではないし、
国や世代にもよるかもしれないが、皆柔軟にラマダンを過ごしている。

4、帰省ラッシュ!

ラマダンが4月20日に終わると、チュニジアはその後3日間祝日になる。
よって、ラマダンの後半には、首都チュニスから沢山の人々が地方へ移動する。また、祝日のあとも沢山の人々がチュニスへ戻る。
私は、ラマダン後半に地方へ移動し、祝日終わりにチュニス方面へと移動していたので、帰省ラッシュの流れに乗っていた。

ラマダン後半のバスは、前日までにチケット(しかも窓口直接購入)を買わないと、乗れなかった。
祝日中は電車やバスは休みで、乗り合いバンだけが動いていた。
祝日明けは、北へ向かう列車が大混雑(電車の入り口にまで人がぎっしり)で乗るのをあきらめた。
まさに日本の正月!

5、イフタール直前の静けさ

断食明けの最初の食事、イフタールの直前になると、まちから人が消える。
本当に人っ子一人歩いていない。(特に地方)
皆家に帰って、食事の準備やお祈りをするようだ。
数時間経つと、まちはまた大賑わいを取り戻す。なんとも面白かった。
賑わいを取り戻したまちには、おしゃれをした女性や子どももお買い物を楽しみ、雰囲気だけでも本当に楽しかった!!

6、イフタールの変化

イフタールにも変化があるらしい。
チュニジアも40年程前は、家族で家で食べるのが当たり前で、レストランなんて開いていなかったと聞いた。
しかし、今は多くのレストランやカフェも夕方から営業しているし、イフタール用の特別メニューも出す。(すごい量で一人2000~3000円する)
一度、チュニスでお世話になっていた方に、レストランに連れて行ってもらったが、親戚や友達と大勢でわいわい楽しんでいた。
もちろん普段は家で食べるだろうが、外食でのイフタールも楽しむ。


こんな感じで初めてのラマダンは本当に面白かった。
暑く、乾燥している中、外では飲み物が飲みにくく苦労したが、意外と1日1食+お菓子つまむぐらいでも生きていけることが分かった。

その反動で、ラマダン明けは、ストリートフードやカフェを思う存分楽しんだ。「昼間に飲み食べできるなんて本当に最高」と思いながら…。

でもやはりチュニジアは美味しい食べ物の宝庫なので、初めてのチュニジア旅行はラマダンを避けることを勧める(笑)
もしくはラマダン終盤からラマダン後を楽しむといいかも。

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