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「日本的なJ-POP」も、結局「洋楽ぽい歌」の一つとなっていくのだと思う
J-POPは急速に歌謡曲化しているのだという。
歌謡曲の定義は何かとか、日本でもK-POPはトップクラスに売れているぞとか、日本にもビリーアイリッシュ聴いてる人はいるぞとか、色々言いたいことは出てくる文章である。歌謡曲ベースの例としてKing Gnuが挙げられているが、常田大希氏が率いるThe millenium Paradeは「世界から見た東京」を掲げ、歌謡曲色は無いが、ちゃんと売れている。
しかし山崎氏の文章を全否定もできない。「歌謡曲化」の例として挙げられている数々のアーティストの活動が、確かに歌謡曲だなあ、と頷けてしまうからだ。歌謡曲の明確な定義を答えられなくても、何となくな雰囲気を共有して「あれは歌謡曲だよねえ」と言えてしまう面はあると思う。
結局起きているのは「物凄く洋楽ぽい曲」と「歌謡曲ぽい曲」への二極化なんじゃないか。だから「日本のポップシーンは洋楽化している」という意見も「日本のポップシーンは歌謡曲化している」という意見も、両方正しく、両方間違ってもいる。
ただ、「歌謡曲の定義」はやっぱり掴みづらい。
昭和初期からの流れを具体例も入れて明確に説明しつつも、最後は「現在では外国のポピュラーソングの影響を受けたものが多く,いわゆる流行歌と同意味に使われる」とのことである。ならば、各人が青春時代に流行ったり、大切に聴いていたものを歌謡曲としてもいいではないか。「歌謡曲ぽい」って言ったって、いつの時代の歌謡曲に似てると感じてるんですか?となりかねない。
日本のシティポップが世界で人気とのことだが、海外の人のノスタルジー感をくすぐるのも人気の要因らしい。数十年前の歌が海外の人にカバーされたり発掘されて人気になることもあると言うから、これも立派な「昭和歌謡」か。
U2やKentを聴くと、私なんかは行ったことも無いようなアイルランドの荒野やスウェーデンの街を旅行したかのように懐かしんでしまうこともあるが、「歌謡曲的J-POP」も、実際に生きた訳ではない日本の古き時代や地域を思い出し、懐かしんでしまうものなのではないか。そうなると洋楽と歌謡曲の二極化というのは、最後は並列のところに行きつくのかもしれない。