ニュー・サウンズ・イン・ブラスの思い出
私は中学のときに吹奏楽部に入ってフルートを始めました。考えてみると、吹奏楽部というのは多くの中学や高校に存在します。日本の吹奏楽人口は、相当なものになるはずです。「かつて吹奏楽をやっていました」という人はかなりいるはずなのです。
そんな「吹奏楽を3年やっていました」という人なら、以下の曲のうち、「どれもまったくやったことがありません」という曲はないであろうという曲で構成されたアルバムがあります。1997年(四半世紀前)に録音された、「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」のアルバムです。とりあえず曲目を挙げますね。以下の12曲です。
1.アフリカン・シンフォニー(岩井直溥編)
2.追憶のテーマ(浦田健次郎編)
3.虹の彼方に(森田一浩編)
4.コパカバーナ(岩井直溥編)
5.A列車で行こう(岩井直溥編)
6.宝島(真島俊夫編)
7.オーメンズ・オブ・ラブ(真島俊夫編)
8.サウス・ランパートストリート・パレード(岩井直溥編)
9.シング・シング・シング(岩井直溥編)
10.踊りあかそう(岩井直溥編)
11.ディズニー・メドレー(岩井直溥編)
12.ウィ・アー・オール・アローン(小野崎孝輔編)
いかがでしょうか。やったことがある曲が必ず含まれていませんか?私も中学3年間で「コパカバーナ」と「ディズニー・メドレー」の2曲は少なくとも経験があります。
このシリーズ、いまでも続いているのか知りませんが、とにかくよくやられています。このように「やさしく演奏できて」「客受けがよい(演奏効果が高い)」という曲は重宝されます。弦楽器の世界で同じような曲(やさしく演奏できて客受けがよい)として、早川正昭の「日本の四季」がありますけどね。
このアルバムはキリスト教の洗礼を受ける(=キリスト教の信者になる)数日前(2000年12月)に買ったもので、洗礼を受ける朝も聴いてから出かけたものです。「オーメンズ・オブ・ラブ」は私にとって「受洗日の朝」を思い出す曲です。
たとえば、友達を家に招いて、中学のときに吹奏楽をやっていたというので、これをかけますと、必ずやった曲が出て来るのです。そして、やったことはなくてもこれらはスタンダードなナンバーではないですか。最初にこれを考えた人はえらいですね!岩井直溥(いわい・なおひろ)さん?吹奏楽でビッグバンドを再現!
ついでなので、岩井直溥さんの曲で、やはり中学のときにやった曲をもう1曲、挙げます。「すてきな日々」という曲です。これも「岩井直溥作品集」というアルバムに収められています。多感なころやりましたので、いまでもこの2番フルートは暗譜しているのではないかというくらいです。中学2年のときのコンクール課題曲だったかな。
この2種のアルバムは、いずれも岩井直溥指揮、東京佼成ウインド・オーケストラの演奏です。「東京佼成ウインド・オーケストラ」は、管弦楽の世界では「NHK交響楽団」とか、野球の世界では「読売ジャイアンツ」と言っているくらいの有名なプロの吹奏楽団体でありまして、立正佼成会(という宗教)の吹奏楽です。私のキリスト教会での知人がこの団の有名な団員さんでした。キリスト教なのに立正佼成会?と思われたかもしれません。ご本人にも聞いてみましたところ、そのへんは構わないそうです。まあそうですね、私もキリスト教の学校に勤めていましたが、キリスト教の信者でない人がほとんどでしたから。
とくに1枚目のアルバムは、国内外のいろいろなソリストを集めて録音されており、たんに「教育的配慮のある吹奏楽曲」というのを超えて、じゅうぶん観賞用として楽しめる高度なアルバムになっており、こういうものは吹奏楽ファンだけにとどめておくのはもったいない気がします。「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」、それと知らずにやったことのある人は多く、聴いて知っている曲も多い、すぐれたシリーズです。
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