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腹ぺこさんって障害者?

 R先生という、初めて会ったときから10年くらいは経つ職場の友人がいます。R先生は教員時代の仲間です。私に発達障害の診断のくだったのが6年前、40歳のときです。そのことはR先生も知っています。やがて私は教員をやめさせられ、事務員になり、それはますます向いていなくて、休職と配置換えを繰り返して、つい2週間半くらい前にやめさせられました。いま無職です。R先生は、自分も発達障害ではないかと疑っていました。私ほどではないものの、できることとできないこととの差が激しく、自分が「ポンコツ」である自覚があるようでした。もっとも私から見ると、R先生の「かたより具合」はすべてにおいて私より程度が低く、その証拠に、R先生はなんだかんだ言ってちゃんと教員が務まっていますが。

 半年か1年くらい前のことです。R先生は、あるとき自分の精神科医に、「自分は発達障害ではないかと思う」と言ったそうです。そうしたら、R先生にとっては意外なことに、その精神科医は、言葉をにごしたそうです。R先生は、すぐに「そうです」と言われると思っていたようです。発達障害というのは、世の中にたくさん出回っている言葉だけれど、すぐに診断がくだるわけではないということを実感したようです。

 それから、昨年の4月に、私のクリスチャンプレスでの連載「発達障害クリスチャンのつぶやき」が開始されるとき、相談に乗ってくれたのもR先生でした。「『発達障害』という言葉を連載名に入れるのは、世の中の流れに乗っている」というR先生のアドバイスをもらって、障害を振りかざすことに抵抗のあった私に決断をうながしてくれたのでした。

 そして、つい1週間ほど前に、R先生から、驚きの電話をもらったのです。以下のように言っていました。「え?!腹ぺこさんって障害者?!何級?!」。驚いたのはこっちです。R先生とは10年くらいの付き合いになって、私が発達障害であることも知っているのに。しかし、この電話からわかることがあります。少なくともR先生は、「発達障害」を「障害者」だと認識していなかったのです。

 そこで気がついたことがあります。「身体障害者」という言葉は普通に使います。あるいは、「知的障害者」という言葉もよく使います。「精神障害者」という言葉もよく使います。しかし、「発達障害者」という言葉はほとんど使わないのではないか。やはり、世間の人の多くも、発達障害を「障害者」だと認識していないのではないか。

 私はもろもろの事情によって、まだ障害者手帳を取得していません(これから取得します)。私は46歳です。45歳以上で障害者手帳を持っていると、失業保険が360日出ます。障害者手帳を持っていない私は、医師に「意見書」を書いてもらいます。私の持っている3つの診断は「自閉症スペクトラム障害」「注意欠如多動性症候群」「統合失調症」の3つですが、このうち失業保険が360日出るのに「使える」障害は「統合失調症」だけです。発達障害では失業保険の日数は増えないのです。これも世間では発達障害は「障害」と認められていないひとつの証拠だと思います。私は99:1くらいの割合で、精神障害よりも発達障害で困っているのに。

 というわけで、私は障害者ですよ!生まれついての障害者ですよ!障害者手帳は未取得だけれども、障害者ですよ!

(最後に私の「発達障害クリスチャンのつぶやき」の記事のリンクをはりますね。)

















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