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4次元における2直線の位置関係

 ごめんなさい。また、数学を苦手とおっしゃるかたには、得意でない話かもしれません。しかし、私が中学生のときに思いついた話ですから、さっきの「数列」とは違って、伝わる話だと思っています。よろしければお付き合いくださいね。

 平面において、2直線の位置関係には、どういったものがあり得るでしょうか。まず、「1点で交わる」というものがあり得ます。それから、「平行」。それから、「ぴったり重なる」というのもあるでしょうね(ぴったり重なったら、もはや2直線ではない、という屁理屈は言わないことにしましょうね)。これだけでしょうか。

 しかし、3次元空間に行きますと、もう少し、2直線の位置関係は、増えますね。すなわち、「ねじれの位置」というものが増えます。「ねじれの位置」を、言葉だけで説明するのは難しいですが、3次元空間内で、交わっていなくて、しかも平行でもない、という状態が、イメージできますでしょうか?なにかの本で読んだ説明になりますが、空に、飛行機雲が、ふたつ、伸びている。平行でもなければ、交わってもいない。あれが、「ねじれの位置」です。ご納得いただけましたでしょうか。

 では、ここからが、中学のときの私の考えたことです。4次元空間に行ったら、2直線の位置関係は、増えるのだろうか。おそらく増えるのだろうと考えて、いろいろ考えました。きっと、3次元ではありえない、「ハイパーねじれの位置」などがあり得るのだろう…。1ヶ月以上、考えたと思います。ついに私は、結論に到達しました。

 直線を定めているのは、異なる2点です。異なる2点を通る直線は、存在し、しかもただひとつ存在します。これは、どの次元でも、そうです。同様にして、平面を定めているものは、同一直線上にない3点です。同一直線上にない3点を通る平面は、存在し、しかもただひとつ存在する。(ずっとのち、中学の教員となった私は、この事実が、多くの中学生には受け入れがたいことを学びました。しかし、これは、これ以上、かんたんにならないことなので、どうやって説明したものだろうか。カメラの三脚で地面に立つことくらいしか例が思いつかない。あるいは、グランドピアノのふたでしょうか。)これと同様に考えれば、ひとつの3次元空間を定めているものは、同一平面上にない4点であることがわかります。3次元空間は、同一平面上にない4点で決まっているのだ!それは、4次元空間内でも5次元空間内でも、成立することなのだ!これに私は気づいたのです。そして、先ほども言いましたとおり、直線というものは、2点で定まっています。ということは、2直線は、2+2で、4点で定まっています。そして、くどいようですが、4点を通る3次元空間というものは、必ずあるのです。つまり、「2直線」というものは、必ず、ある3次元空間に入っていることになります。これは、4次元空間内であろうと、5次元空間内であろうと、そうです。つまり、2直線の位置関係は、3次元空間であり得たもの以外、あり得ないのだ!「ハイパーねじれの位置」は、なかった!「もう増えない」というのが正解だったのです。

 私は興奮しました。4次元って見えないようだけれども、よくよく考えると、あり得る。そして、ちゃんと答えがある。考えれば、答えはつかまえられる。「ハイパーねじれの位置」はあるだろうと思って考え始めたけれども、なかった。当時の、中学校の近くの様子を思い出します。近所にあった田舎道。少し歩いていくと、フルートの先生のお宅がありました。そういう記憶とともに、私の、「4次元」の思い出は、残っています。

 同様に考えると、いろいろなことがわかってきました。3次元空間内では、平面と直線の位置関係は、交わるか、平行しかなかった。(ずっとのち、中学の教師になったとき、中学の教科書では、平面と直線の位置関係では、「交わらないこと」をもって、「平行」の定義にしていました。)しかし、4次元空間では、「平面と直線のねじれの位置」があり得る。平面と直線が、交わらないけど平行でない、ということがあり得ることに気づきました。平面は3点で決まっていますが、直線は2点で決まっています。そして、4次元空間は、5点で決まっているのですから、ぎりぎり目いっぱいで、「平面と直線のねじれの位置」があり得ます。さらに、4次元空間では、平面と平面は、1点で交わり得る。これは、式を用いたほうが説明しやすいでしょう。4次元空間内の平面ということは、平面とは2次元空間ですから、次元が2つ低い。次元が2つ低いと、表す式がふたつになるということは、お分かりいただけますでしょうか。高校に行きますと、3次元空間内の直線は、イコールがふたつで表されたことを思い出されるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。つまり、4次元空間内の平面(=2次元空間)は、2つの式で表されるのです。ですから、平面がふたつなら、式は4つになることになります。その交わりを求めようと思ったら、それらの式を連立させることになります(両方の式を同時に満たすから)。そして、4次元空間は、変数が4文字で、4つの式を連立させるのですから、多くの場合は、1組の解が得られます。つまり、1点です。これが、4次元空間のなかで平面と平面が1点で交わる説明です。

 このほか、4次元での立方体についてとか、4次元における体積であるとか、私の想像は大きくふくらんで、高校に行ったころには、「自由研究」で金賞をいただくにいたるのですが、ちょっとこの記事が長くなってきました。ここでは、中学のときの発見にとどめておきましょう。インターネットとか、ない時代です。ある意味、幸せな時代だったと言えるでしょう。わからないことは、考えるしかなかった時代でしたから。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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