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川瀬賢太郎の思い出②

 さて、「私の音楽ネタは、ほとんど読者のかたはいらっしゃらないのだろう」と思って、それでもめげずに書いておりましたら、きのうは、このような演奏会ネタに、(私としては)たくさんの「スキ」をいただきまして、書き続けるだけの勇気をいただきました。ありがとうございます。

 きょうは、2019年6月6日の演奏会の思い出について書きますね。

 川瀬賢太郎指揮、名古屋フィルで、2曲プログラム。前半は、グリエールのホルン協奏曲、ソロはデイヴィッド・クーパー。後半は、ラフマニノフの交響曲第2番。

 この記事の題名、どうするか迷ったのですよ。よほど「デイヴィッド・クーパーの思い出」としようかと思いましたが、こうしました。

 まず、前半のグリエールのホルン協奏曲。この曲を生で聴くのは2回目です。1回目は、ハンス・ピツカのソロで、あるアマオケで、1996年6月9日(なんと、キリスト教と出会う前のことですね。指揮は井崎正浩氏で、このころはのちに井崎氏の指揮で演奏することになるとは思ってもいないころということになりますね)のことだったようです。今回のソロのデイヴィッド・クーパーは、プログラムによると、ダラス交響楽団の首席ホルン奏者で、かなり長い休暇を取っているあいだに、なぜか(辞めたラデク・バボラクのあとをおそって。バボラクについては、「ラデク・バボラクの思い出①」をご覧ください。リンクがはれなくてすみません)ベルリン・フィルの首席奏者を務め(!)その当時、まもなくシカゴ交響楽団の首席ホルン奏者になります、という、すごい人でした。

 その日も、この難曲を、かるがると、余裕で吹いていました。この曲は、ロシア風のロマンチックな協奏曲で、おそらく、ホルンはかなり体力を消耗するのではないかと思われる曲です。かなり珍しい曲と思われ、私も生涯で2回も聴くのは、まれなことと思われます。(グリエールはロシアの重要な作曲家で、交響曲第3番「イリヤ・ムーロメッツ」、コロラトゥーラ・ソプラノ協奏曲、「サイレーン」、「赤いけし」などが有名です。でも、これらも、生で聴く機会はなかなかなさそうですね。)デイヴィッド・クーパーは極めてうまく、ほんとうに余裕をもって吹き、じゅうぶんにロシア情緒をたんのうさせてくれて、喝采を浴びていました。すごいホルニストだと思います。

 上述の、ハンス・ピツカの演奏も、よく覚えています。いつか、紹介の記事を書けたら、と思っています。

 アンコールは、オケの3人のホルニストといっしょに、ウェーバーの「狩人の合唱」を。とてもたのしいアンコールでした。(ウェーバーの「狩人の合唱」は、ホルンが4人、集まったら、必ずやるのではないかという有名な曲です。この演奏会で、もっとも有名な曲ですね笑)

 さて、後半の、ラフマニノフの交響曲第2番です。この曲を、生で聴いた経験は、おそらく4回です。うち、最高の出来のものは、外山雄三指揮、仙台フィルによる演奏で、いずれ、その日の演奏会の思い出も書きたいですが、まだ書いていないと思います(外山雄三は、この曲が大得意なのです。新録音でなくてもいいですから、過去にたくさん放送録音があると思いますので、CD化してくださることを切に望みます!)。のこり2回は、いずれもアマチュア学生オケの演奏でした。私が学生時代は、この曲は、アマオケで候補に挙がっても、必ず落とされるという曲で、かなり評価が低かったのですが、この何十年かで、かなり評価を挙げてきており、いまやすっかりアマオケの「やりたい曲」になってきました。時代はかなりラフマニノフ(とくにオーケストラ曲)を評価する時代になってきています。この日の演奏ですが、指揮者のやりたいことはよくわかりました。トスカニーニ(ラフマニノフが理想とした指揮者)のようにやりたいのですね(インテンポ演奏)。しかし、トスカニーニのようにやるためには、オーケストラがNBC交響楽団くらい、うまくないといけないのでしょうということがよくわかる演奏でした。ちょっとオーケストラが力不足でしたね。そして、この演奏会よりも10年以上前の演奏会で、このオケを聴いたことがあります(「ジャック・ズーンの思い出」をご覧ください。リンクがはれなくて申し訳ございません)。そのときも書きましたが、シンバル氏が、とてつもなく強烈な音を出されるので(その2009年2月の演奏会と同じかたでしょう)、すっかり閉口してしまいました。(ラフマニノフの2番にかんしては、あと2回の、アマチュア学生オケのほうが、いい演奏だったような。それらの思い出も、いずれ書くかもしれませんが。)

 というわけで、あまりおもしろい演奏会の感想にはなりませんでしたね…。ごめんなさいね。でもきのうの「岩城宏之の思い出」(リンクがはれなくてすみません)も不出来だと思って、どうぞみなさん読まないでくださいねと思ったのですが、思わず読者に恵まれてしまい、ほんとうにSNSってふしぎですね。以上です。ありがとうございました。


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