今更ながら男女間の友情について

男女間の友情というものは、果たして存在するのだろうか。これは、あらゆる人があらゆる場面で話題にあげているテーマだろう。

個人的には、私の年齢(40歳手前)辺りを境にそれ以上の年代は、 “存在しない派”が多数派で、30代より下の世代は “存在する派”が多数派といった印象を受けている。そこにはきっと日本経済の変化が大きく影響しているが、評論家でも何でも無い私が、そんなマクロの視点の話をしてもしょうがないし、第一面白くない。

面白いのはやはりミクロ、個人の視点で、誰かにこの質問を投げかけて、そこから話を広げれば、その人独自の、特有の人生観が浮き彫りになってくるように思う。人は誰もが自分の人生しか生きられない、ほんのちっぽけな存在だ。だから必ず、その人自身の体験がその人の人生観を形造る。

そこから見えて来るのは、ある種の “結果の捉え方”かも知れない。例えば、男女間の人間関係の結果はセックスだ、という捉え方をしている人は、おそらく男女間の友情は成立しない、と答える確率が高いのではないだろうか。もちろん、そんな単純な話でも無いと思うが。

私の考えはというと、 “存在する派”だ。ただし、あくまでも現時点では、という但し書きが付くが。私の10代は、そんな問いすら思い付かない、といった時期だった。20代、言葉を何よりも重要視していた様に思う。男女関係に曖昧さを持ち込む余地がなかった。故に “恋人か、それ以外か”。そして30代、色々とこれまでの自分の価値観を揺るがす出来事があった。私は、色々な事を自分に許すようになった。自分を許す事は、他者を許す事に繋がる。そうやって少しずつだが、自由になってきた感覚がある。

もちろん、この普遍的な問いには答えが無い。いや、人の数だけ答えがあるとも言える。私はこの先の答えを決めたくない。結論を決めてしまって選択肢を狭めるよりも、決めずにどんな選択肢もありにする方を選び続けたい。人生、何があるか分からないからこそ、分からない事を分からないまま保留にする勇気と自由が欲しい。

#男女間の友情 #エッセイ #生き方 #店主 #バーテンダー

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