BMSから学ぶK-shoot maniaにおいてのギミック譜面の作り方
この記事は K-Shoot Mania 譜面制作チーム TapeStop100
アドベントカレンダー企画
TapeStop100 Advent Calendar 2021
9 日目の記事です
覚えていますか。七瀬奈々です。好きなひきわりご飯は納豆です。
早速ですが皆さん、ギミック譜面は作っていますでしょうか。作ってない?ざんけん…
ギミックを作るのはめんどくさい!難しそう!というイメージを持っている方も少なくないでしょう。実際ギミックは奥が深く、全てを使いこなすのはなかなかに至難だと思います。
しかし、上手く使えば譜面をさらに楽しく、面白く、個性を出し、また皆をあっと言わせることが出来ます。また、お手軽に実装できるギミックも存在します。なので是非皆さんにもギミック譜面の作成に触れて欲しいものです。
今回は皆様に興味を持ってもらうために、そんなギミックのうちBMSで作られた譜面に使用されているギミックを挙げながら、実際にK-shoot mania(以下、ケーシュー)にはどれが利用できるかを考えていきたいと思います。
ゲストはなご猫さんです。よろしくお願いします。
⁽˙³˙⁾「よろしくお願いします」
では早速ギミックについて、大まかに3つに分けながら解説していきたいと思います。
利用できないもの
こちらではBMSでは利用出来るがケーシューでは機能が未実装のため利用できないものを挙げます。
ランダム分岐
BMSではノーツにBPM、total値や判定の厳しさ、はてには曲自体のタイトルなどもランダムで分岐させられることができます。ネタ譜面などでよく見かけますね。むしろランダム分岐を主にした譜面も存在します。
「しかしケーシューには実装されておらず、実現できません。本家にも入る気配はないので実装は望み薄ですが、もしされたらどのように使われるか、楽しみです」
不可視ノーツ
BMSで言う不可視ノーツとは、キー音を変更するために使われるノーツで、レーンに表示されず、見逃してもミスになりません。
「ケーシューでも不可視ノーツ自体は出来ますが、上記のものとは本質が違うので、一応この立ち位置です。詳しくは後述」
代用可能なもの
こちらではケーシューでは機能が未実装ですが、ほかの機能で代用が効くものを挙げます。
地雷ノーツ
通常のノーツと違い、叩くとゲージが減るノーツです。言い換えると、描画はされるが見逃してもミスにならないノーツ、となります。
BMSではその特性を活かして、様々な用途で使われます。次に降ってくる譜面の予告ができたり、パラパラ漫画の要領でアニメーションが描けたり、自由性は極めて高いです。
「ケーシューでは地雷ノーツは実装されていませんが、ツマミである程度の代用が出来ます。…本当にある程度ですが。
予告ノーツ・BTの予告として律儀にこと細かに置いてしまうと譜面が見づらくなったり汚く見えてしまいますね。
仮にケーシューに地雷ノーツなるものが実装されたとしても、実装のされ方によってはBT全押しと両FXチップの見分けがつかないかもしれませんし、そもそも4レーンしかないので描写能力も下がってるかも。いや、ツマミと組み合わせれば上がるのか…?
まあDDR風の地雷ノーツを実装されてしまうとこの話は終わりです」
BGA
楽曲とともに表示される、レーンの横に表示されるムービーや一枚絵です。これ自体は説明も不要でしょう。
「ケーシューでは、プレイ画面の背景やその背景の全面アニメーションとして、画像を用意して映すことができます。画像の設定の仕方では、ゲージやタイミングによって任意の画像に変更することも可能です。それによって紙芝居などの演出が可能です」
利用可能なもの
ここではケーシューでも利用可能なものを挙げます。(1部例外があります)
BPM変化
譜面の最中でBPMを変化させることができます。BMSの譜面はスクロールスピードがBPMに依存するため、BPM変化=譜面のスクロールスピード変化になります。そのため、BPMをとても高い値に設定すると、譜面を疑似的に瞬間移動させることができます。これによって、譜面が突然現れたり、消えたりする演出が可能です。
「ケーシューでもごくまれにみられます。しかし、BMSと違い、ケーシューのBPM上限は65535なので、ワープさせるためにはそれなりに計算が必要だったりします。めんどくさいので僕は雑にその後のBPMをずらすなどして対応してます。」
不可視ノーツ
「ケーシューにもギミックとはちょっと違いますが不可視ノーツはあります。例えば、BTノーツに完全に重なるようにツマミを走らせることでノーツを見えなくすることができますし、2017年の京音パケに収録されている『>ex∀tioИ』ではワープの終点にノーツが置かれているため見えないノーツがあります。」
ストップシーケンス
指定した時間だけ譜面のスクロールを停止させることができます。等間隔に大量に配置することでBPMを変化させずにスクロールスピードを落とすことが出来たり、非常に高いBPMと非常に多くのストップシーケンスを組み合わせて通常の速度でスクロールしているよう見せたりもできます。
「ケーシューにもストップシーケンスがあり、よく利用されています。そもそもストップシーケンス自体がギミックのようなものなので、置くだけで見た目が面白くなるのもいいですね。曲に合うようにバシッとおいてみましょう。」
小節長変化
既定の1小節の長さは4/4(4分音符4つ分)ですが、3や5などの拍子の曲や、変拍子の楽曲に譜面をつける場合、小節長を変化させる必要があり、本来はその用途に使われます。ギミックでは小節長変化は主に小節線を基盤として利用されます。BPM変化やストップシーケンスと組み合わせて小節線アニメーションを表現したり、1小節の長さを短くし曲に合わせ大量の小節線を降らせたり、疑似的な判定ラインなどとしても使われます。
「某ボルテでもゆうしゃのふゆやすみやAragami、Dreadnoughtなどに使用されていますね。扱いやすく、視認性も悪くなりにくいため、ケーシューでもよく利用されています。ただ、先ほど述べたBPM上限などの問題もあり、アニメーションや判定ラインとしての使い方はされていません」
具体例
ここでは僕が好きな譜面を挙げ、どのギミックが使われているかを挙げます。ググるとギミックの解説をしているサイトもあるので、気になったら調べてみてください
Dstorv [Ego]
地雷ノーツ、BPM変化、ストップシーケンス、小節長変化
STAGER [Stream Hy Deceive]
地雷ノーツ、BPM変化、ストップシーケンス、小節長変化、不可視ノーツ
Alcubierre Drive [ANOTHER]
BPM変化、小節長変化
Lots Of Spices [lots mineds]
地雷ノーツ、BPM変化、ストップシーケンス、小節長変化
アリスの空虚で愉快な人形劇 [Silhouette Hidden Dangerous]
地雷ノーツ、ストップシーケンス (BPM変化なし)
好きな譜面並べただけなので使われてるギミックが偏りました。ほかにもギミック譜面はたくさんあるので良ければ探してみてください。
終わりに
いかがでしたか?
今回はBMSの譜面を通してギミックに触れていただきました。ここからギミック譜面に興味を持っていただけると僕としてもうれしいです。
「ケーシューでしかできないギミックも多いと思います。BMSから学び、ケーシューに活かしていけるといいですね」
というわけで、長くなりましたが以上で記事を締めます。引き続きTP100アドベントカレンダーをお楽しみください。
謝辞
この記事を書くにあたり、KEHさんが執筆された『BMS 譜面のあれこれ-ギミック譜面編 入門編-』(サークル:漬物革命,2018)を参考にさせていただきました。KEHさんは僕にギミック譜面の面白さを教えてくださった人でもあります。本当にありがとうございます。
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