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地域に飛び出す”落とし穴”

第4回は「地域に飛び出す落とし穴」について書きたいと思います。第3回で「地域に飛び出す」ことは、正の連鎖を生むための「レバレッジ・ポイント」ということを説明しました。しかし、「落とし穴」も存在すると感じたので説明します。

職務専念義務違反

公務員は、地方公務員法第35条にて「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」という「職務専念義務」が課されています。自己研鑽、地域のためと良いことをしようとしても、まずは自分の職務専念義務を果たすことが求められます。自分の職務がいい加減で、周りの人、住民に迷惑をかけているに「地域に飛び出す」なんて言うことはできません。職場の理解は大前提です。地域活動に夢中になりすぎて職務専念義務違反にならないようにしましょう。そのためにも生産性を上げて、職務でしっかり成果を出すということは「地域に飛び出す」ことを助けることになります。

守秘義務違反

公務員は、地方公務員法第34条にて「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」という「守秘義務」を課せられています。公務員は職務上様々な分野のたくさんの情報を扱います。たまたま職場で聞いた話も「守秘義務」が課せられます。地域に飛び出した際に、その人のためと思って話したことが守秘義務違反となるリスクは常に存在します。地域に飛び出して、住民の方と良い関係を築くと頼りにされることも増え、質問される回数も増えます。聞いてくる人には悪気がなくても、答え方によって守秘義務違反となります。

公務員のイメージ

FRTは公務員やでいいな」「公務員の仕事は暇そうでいいな」「公務員は安定していていいな」「俺の税金で生活しやがって

地域に飛び出すとこんなフレーズは日常的に聞くことになります。自分も最初はなんて答えていいかわからず、苦笑いしかできませんでした。仲間だと思って活動していても、一気に線引きされるような、排他されるような気持になって寂しくなりました。けれでもある日FRTは気づきました。

これって、住民の方のホンネなんだよな。事実と違うし、否定したくもなるけど、悪気があるわけでないし、無理に向き合う必要はなく、自然体に対応すればいいんじゃないのかな。

考え方を変えてからは言われることが苦にならなくなりました。挨拶ぐらいにしか感じなくなりました。

それよりも、「自分の志」と「熱い気持ち」を伝えることでネガティブなイメージを変えることができました。マイナスからプラスになった場合の絶対値の振れ幅は大きく、中には感動して応援してくれる人もいました。「志」に助けられました。

聞きたくない言葉を聞く場面に遭遇しますが、自分の気持ちを伝えて、自然体に接すれば良いです。「公務員」から「あなた」という存在を見てもらえるようになります。

バッシング(悪口)

この前役場にいったときの窓口の人の対応が・・・・」「この前役場の○○さんって人から注文があって・・・」「○○課の▲▲っていう人どうなってるの・・・」「うちの首長はダメだ・・・」「役場のやってるこの事業って無駄だと思う・・・・」「税金高いよー

地域に飛び出すと内部では聞けない、「住民の方のホンネ」にふれることが多いです。事実無根のことから、本当に迷惑をかけたことまで、自分には関係ないですが「役場の人」ということで、お話を聞く機会は多いです。

この対応が本当に難しい。事実無根のことを謝罪するわけにもいかない。職員個人へのクレームの場合でも上司でもないし対応するわけにもいかない。トップへの批判も自分の組織のトップである以上、肯定するわけにもいかない。対応を間違うと「役場のFRT」がこんなことを言っていたとすぐに噂になるリスクがある。こんな現状に直面して地域に飛び出すことが嫌になってしまった人は多いのでないのだろうかと感じる。

これに対してFRTの対応は

傾聴して一緒に考え、話題を変える

これしかないです。ただ聞くのではなく、傾聴します。肯定も否定もしません。傾聴します。そして相手の欲求、気持ちに対して同じ立場で考えて、解決策を探します。具体的に対応できるなら、窓口を紹介します。窓口の担当者にも「こんな人が訪ねてくるから」的なことを伝えます。訪ねてきたときに相互理解があると話が伝わりやすいですから。そして、すみやかに話題を変えます。

バッシングの中には改善に繋がるものもあり、住民の方の話を聞くという機会は大切だと実感します。これにより、嫌な思いもしましたが、住民対応能力は確実にレベルアップしたように思います。

まとめ

地域に飛び出す」と公務員であるが故の制約は避けられないですし、住民の方のホンネにも出会います。私もこのような「落とし穴」に無知で迷惑をかけたり、叱責されたりしました。本当に嫌な気分になることもありました。申し訳ないなーと思うこともありました。「無知は罪」そう実感しました。

「地域に飛び出す」ための「少しの勇気」と「きっかけ」をより多くの職員に提供すること

FRTのミッションです。だからこそ「落とし穴」もしっかり伝えて、円滑に地域に飛び出せるサポートもしていきたいと思います。

地域に飛び込むと決意してくれた職員は全力でFRTが仕事もプライベートも応援しますよ!!!いつでもご相談ください!!!

第4回は「地域に飛び込む落とし穴」について説明しました。第5回からはFRTの経験も交えながら、生産性の向上の具体的な事例について紹介していきたいと思います。まずは「パソコンスキル」から紹介しようかな。

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